天然酵母とイーストの違いとは?パン酵母の種類や使い分けのコツ

酵母とイースト の違いとは?パン酵母の種類や使い分けのコツ

「天然酵母とイーストの違いは何?」

 

パン作りをしていて、天然酵母やイーストの違いについて疑問を感じた方も少なくないでしょう。

レシピによっては、同じパンなのに天然酵母とイーストだけ違うということもありますので、どうしてなのか理由が気になりますよね。

 

パンを作るなら、天然酵母とイーストのどちらか入っていれば大丈夫ですが、パン作りの本気度によって使い分けた方がいいでしょう。

例えば、手間暇かけずにパンを作りたいならイースト、風味があるパンや食感が良いパンを作るなら天然酵母という風に天然酵母とイーストを使い分ける必要があります。

 

本記事ではパン職人歴10年の筆者が、パン作りに欠かせない酵母を徹底解説。

天然酵母とイーストの違いやパン酵母毎の特徴を理解すれば、作りたいパンや使いやすさに合わせて酵母を選べて失敗も少なくなり、パンのレパートリーが増やすこともできますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 酵母・イースト・天然酵母の違い
  • 酵母・イースト・天然酵母の種類と特徴
  • パン酵母を購入できる場所
イーストフードとイーストは同じものではありません。イーストが酵母であるのに対し、イーストフードは添加物です。本記事に記載しているイーストは、パン酵母で解説しています。

※記事で紹介した商品を購入した場合、売上の一部がGOOPANに還元されるケースがあります。
※記事に掲載されている情報は、GOOPANが独自に調査したものであり、掲載価格の変動や登録ミスにより情報が変わる可能性があります。

※最新価格や詳細情報につきましては、メーカーや販売店、各ECサイトにご確認いただくことをお勧めいたします。

目次

酵母とイーストに違いはない

酵母とイーストに違いはない

酵母は英語でイーストと言うように、本来酵母とイーストは同じものです。

発酵を行う微生物の総称である酵母は【ビール・ワイン・醬油】などの発酵食品作りに広く使われています。

多くの種類が存在している酵母の中で、パンの発酵に使われる『パン酵母』に分類されるのがイーストです。

酵母という大きなくくりの中にイーストが含まれているため、酵母とイーストは同じものと言えます。

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ちなみに、イーストと同じく広く使用されているパン酵母に天然酵母がありますが、天然酵母も酵母の1種です。

パン作りに適した酵母1種類を人工的に培養したものをイースト、自然の中から採取し複数の酵母が混ざったまま培養したものを天然酵母と呼びます。

両者とも自然界にある酵母なので厳密な違いはありません。

しかし、イーストは人工、天然酵母は天然というイメージが先行し、同じパン用酵母でありながら、対立関係に置かれるケースが多く見られます。

【パン酵母の比較表】天然酵母とイーストの違い

【パン酵母の比較表】天然酵母とイーストの違い

パン酵母でよく対比される天然酵母とイーストの違いを、項目別に表にまとめました。

※比較項目の青文字をクリック・タップすると移動します

比較項目 天然酵母 イースト
発酵力
  • 弱い場合が多い
  • 不安定
  • 強い
  • 安定している
風味
  • 奥深く複雑な風味
  • 使用した素材により異なる風味が得られる
イースト臭がある
食感
  • 噛み応えがある
  • どっしりと重いパンが多い
柔らかくふんわりしている
カロリー・栄養 ほとんどなし ほとんどなし
健康への影響 影響なし
(無添加の場合が多い)
影響なし
(ただし食品添加物が含まれる場合あり)
使い方・使いやすさ
  • 種おこしやや予備発酵が必要
  • 手間がかかる
  • 種おこし不要
  • 使いやすい
こね始めまでにかかる時間 1週間以上 0~10分
値段 自宅で手作り:0~200円ほど
市販品:700~2,000円ほど
※種類や商品による
300~2,000円ほど
※商品による

酵母の特性を知っておくとパン作りに役立ちますので、ぜひ参考にしてください。

発酵力

パン 発酵力

イーストと天然酵母の発酵力は以下の通りです。

天然酵母 イースト
発酵力
  • 弱い場合が多い
  • 不安定
  • 強い
  • 安定している

両者に含まれる酵母の違いが関係しています。

天然酵母は、自然界にある複数の酵母が混ざったものです。発酵に関係ない酵母も含まれるため、多くの場合発酵力が弱く安定しません。酵母を一から培養すると焼き上がりまで1週間以上かかります

イーストは、パン作りに適した1種類の酵母を培養したものです。パンの発酵に特化した酵母の集合体なので、安定した強い発酵力から短時間でパンが焼き上がります。

風味

天然酵母とイーストを使用したパンの風味は以下の通りです。

天然酵母 イースト
風味
  • 奥深く複雑な風味
  • 素材により異なる風味が得られる
イースト臭がある

天然酵母を使用すると、奥深く複雑な味わいのパンが焼き上がります。ゆっくりと時間をかけて発酵させるため小麦本来の味が引き出され、噛めば噛むほど深い味わいを楽しめます。

使用した素材によって異なる風味を得られるのも特徴です。レーズン酵母は甘味や香りが、リンゴ酵母はリンゴの香りが感じられます。

イーストで焼いたパンはイースト臭が特徴です。酸っぱいような、アルコールのような独特の香りがあります。

焼き上がる段階で香りはほとんど消えますが、発酵過多など条件が揃うと焼き上がったパンにも残る場合もあり注意が必要です。

食感

パン 食感

天然酵母とイーストの違いは、焼き上がったパンの食感にも以下の違いが現れます。

天然酵母 イースト
食感
  • 噛み応えがある
  • どっしりと重いパンが多い
柔らかくふんわりしている

天然酵母の食感は、どっしりと重く噛み応えがあります。パンの発酵に関係のない酵母も含まれており、生地を膨らませる力が弱いためです。

クラム(※)も気泡が少なくて小さく、目が詰まったパンが焼き上がります。

(※)クラム・・・パンの内側の白い部分のこと。外側の焼き色がついた部分は「クラスト」。

イーストの場合は、柔らかくて軽い食感のパンが特徴です。パンの発酵に適した単一の酵母なので、強い発酵力がふんわりとした食感を生みます。

カロリー・栄養

天然酵母とイーストのどちらを使用しても、パンのカロリーと栄養には影響はありません

カロリーや栄養は、配合されている小麦粉や砂糖、卵、油脂など材料の種類や量で決定するという見解が大半です。

酵母はパンの発酵や風味のために使用されています。天然酵母とイーストの違いが、カロリーと栄養に影響を与えることはありません。

健康への影響

天然酵母とイーストが及ぼす健康への影響は以下の通りです。

天然酵母 イースト
健康への影響 影響なし
(無添加の場合が多い)
影響なし
(ただし食品添加物が含まれる場合あり)

天然酵母とイーストのどちらを使用しても、健康への影響はありません

素材から培養した酵母をそのまま使用する天然酵母は、食品添加物を使用していないものが大半です。

しかし、工場で培養されるイーストは、発酵力や安定性を高めるために食品添加物を使用している場合があります。

もちろん天然酵母でも添加物が含まれる場合や、イーストでも添加物を含まないなど一部例外もあります。

天然酵母やイーストへの食品添加物の使用・不使用は、商品によって異なるため、気になる場合は商品の原材料表示に乳化剤や保存料が記載されていないか確認しましょう。

添加物不使用であれば、パン酵母の違いによる健康への影響はほとんどありません。

使い方・使いやすさ

天然酵母 イースト 使いやすさ

天然酵母とイーストの使い方や使いやすさは以下の通りです。

比較項目 天然酵母 イースト
使い方 種おこしや予備発酵が必要 種おこし不要
使いやすさ 手間がかかる 使いやすい
こね始めまでにかかる時間 1週間以上 0~10分

天然酵母とイーストは、パン生地をこね始める前の準備に大きな違いがあります。

自宅で素材から天然酵母を作る場合、酵母を培養する手順(種おこし)が必要です。種類にもよりますが、パン生地をこねるまでに長いと1週間以上かかってしまいます。温度管理などに多くの手間がかかる酵母です。

イーストは製品を購入すれば、すぐパン生地をこねる作業に入れます。予備発酵が必要なイーストでもかかる時間は約10分です。使いやすく、思いついたときに使えるフットワークの軽さがあります。

しかし、時間がかかる種おこしが不要のドライタイプの天然酵母も多く販売されており、天然酵母やイーストも豊富な種類から選択可能になりました。

種類が多くて何を使えばいいのか迷ってしまう方のために、パン酵母の種類をさらに細かくわけ、使いやすさのポイントを以下の表にまとめています。

※各パン酵母をクリック・タップすると移動します。

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パン酵母 使いやすさのポイント おすすめの人 おすすめのパン生地
自家製天然酵母
  • 種おこしに1週間以上かかる
  • 酵母・生地の温度管理が大変
  • 発酵状態の見極めが難しい
  • 風味や味にこわったパンを焼きたい人
  • 自宅で酵母作りから挑戦したい人
カンパーニュなど副材料の少ないリーンなパン(※)
ドライタイプの天然酵母
  • 予備発酵が必要なものと不要のものがある
  • 天然酵母初チャレンジでも使いやすい
  • 天然酵母に初めてチャレンジする人
  • 手軽に天然酵母パンを焼きたい人
食パンなど副材料の少ないリーンなパン
生イースト
  • 保存はきかない(冷蔵2週間)
  • どんなパンでも焼ける
頻繁にパンを焼く人
  • なんでも可能
  • 特に砂糖の多い生地(菓子パン・ブリオッシュなど)
ドライイースト
  • 予備発酵が必要
  • 長期保存が可能
小麦本来の香りや味を楽しみたい人 フランスパンなど副材料の少ないリーンなパン
インスタントドライイースト
  • 予備発酵が不要
  • 直接粉に混ぜて使用可能
  • パン作り初心者
  • 手軽にパン作りを楽しみたい人
  • 通常タイプ:副材料の少ないリーンなパン
  • 耐糖タイプ:砂糖の多い生地(菓子パン・ブリオッシュなど)
セミドライイースト
  • 生イーストとインスタントドライイーストのいいとこ取り
  • 粉に直接混ぜて使用可能
  • インスタントドライイーストより混ざりが良い
  • 手軽にイースト臭の少ないパンを作りたい人
  • パンの風味にこだわりたい人
  • 通常タイプ:副材料の少ないリーンなパン
  • 耐糖タイプ:砂糖の多い生地(菓子パン・ブリオッシュなど)
(※)リーンなパン・・・粉・酵母・塩・水の基本材料で作られるシンプルなパン。フランスパンやカンパーニュ、ライ麦パンなど。少量の砂糖や油脂が入る場合もある。

それぞれ詳しくご紹介します。

手間暇かけたこだわりのパン作り:自家製天然酵母

手間暇かけたこだわりのパン作り:自家製天然酵母

自家製天然酵母は、発酵状態の見極めが難しい酵母です。

酵母を培養するだけで1週間以上かかります。培養中は腐敗しないように温度や衛生管理にも注意が必要です。パン生地をこねた後も発酵力が強くなく安定しないため、コントロールが難しく、細かい状態チェックが欠かせません。

種おこしから焼き上がりまで多くの手間と暇がかかりますが、天然酵母独特の風味や奥深い味わいは最大の魅力です。唯一無二のパンを作りたい方や、自宅で酵母作りから挑戦したい方におすすめです。

天然酵母初トライの味方:ドライタイプの天然酵母

種おこしにかかる1週間以上の時間と手間を省き、自宅で手軽に天然酵母を使用できるのがドライタイプの天然酵母です。培養させた天然酵母を乾燥させて販売されています。

製品によって発酵力や香り、風味も異なりますので、酵母の特徴を十分に引き出せる食パンなどの副材料の少ないリーンなパンがおすすめです。

天然酵母初心者の方やハードルが高くてしり込みしていた方も、気軽に天然酵母を使用したパン作りを楽しめます。

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ホシノ丹沢酵母パン種

出典:amazon

あこ天然培養酵母ストロング

出典:amazon

とかち野酵母インスタントドライイースト

出典:amazon

パネトーネマザー粉末

出典:amazon

白神こだま酵母ドライ 50g

出典:amazon

商品名 ホシノ丹沢酵母パン種 あこ天然培養酵母ストロング とかち野酵母インスタントドライイースト パネトーネマザー粉末 白神こだま酵母ドライ
内容量 250g(50g×5袋) 250g 30g(5g×6袋) 100g 50g(10g×5袋)
料金 1,959円 2,680円 960円 324円 667円
公式サイト

※上記の情報は2024年3月19日現在のものです。別途送料が必要な場合があります。

保存はきかないが万能タイプ:生イースト

生イーストは乾燥させておらず、粘土のような外見をしています。

イーストの中では、酸っぱいようなアルコールのような独特のイースト臭が少ない種類です。どんなパンでも使えますが、砂糖を多く配合している生地に強く、ふんわりと柔らかいパンが焼けます。

保存期間が約2週間と短いのが欠点です。主に使用量の多いパン屋で愛用されていますが、小分けされた商品も市販されています。頻繁にパンを焼く方におすすめです。

前準備が必要だが長期保存できる:ドライイースト

前準備が必要だが長期保存できる:ドライイースト

生イーストを低温で長時間乾燥させたパン酵母です。酵母を休眠状態にしているため、使用前にはぬるま湯に溶かして覚醒させる必要があります。予備発酵の手間はかかりますが、長期保存できるのは嬉しいポイントです。

砂糖が多く含まれている生地には弱いため、フランスパンなどハード系のパン(※)に使うと香りや風味のよさを楽しめます。

(※)ハード系のパン・・・クラストと呼ばれるパンの外側が硬く、パリっとした食感のパン。粉・酵母・塩・水の基本材料を使い(リーンなパン)、長時間発酵させる場合が多く、小麦の風味が味わえる。

手軽で簡単:インスタントドライイースト

手軽で簡単:インスタントドライイースト

インスタントドライイーストは、生イーストを短時間で乾燥させ、乳化剤(※)を加えています。ドライイーストより粒が細かく、そのまま小麦粉に混ぜて使用可能です。予備発酵の必要もありません。

(※)乳化剤・・・混ざりにくい水と油を均一にし、材料に分散させやすくするために使用する添加物。パンの柔らかさを維持する働きもある。

初心者でも簡単にパンが作れるため、家庭で最も使用されています。通常タイプと砂糖を多く含む生地に向いた耐糖タイプの2種類が販売されているため、生地によって使い分けが可能です。

サフ インスタントドライイースト 赤+金

出典:amazon

日清 スーパーカメリヤドライイーストホームベーカリー用

出典:amazon

オーマイ ふっくらパンドライイースト

出典:amazon

商品名 サフ インスタントドライイースト 赤+金 日清 スーパーカメリヤドライイーストホームベーカリー用 オーマイ ふっくらパンドライイースト
内容量 18g(赤3g×3袋+金3g×3袋) 30g(3g×10袋) 18g(3g×6袋)
価格 450円 280円 650円
公式サイト 

※上記の情報は2024年3月19日現在のものです。別途送料が必要な場合があります。

生イーストとインスタントドライイーストのいいとこ取り:セミドライイースト

セミドライイーストは比較的新しいイーストで、世界シェアNo.1のフランスイーストメーカー「ルサッフル社」の商品です。生イーストのイースト臭のなさや豊かな香りと、インスタントドライイーストの使いやすさを兼ね備えています。

インスタントドライイーストと同じく通常タイプと耐糖タイプの2種類があり、使い分けが可能です。冷凍なら製造から2年は保存ができます。

サフ インスタントドライイースト 赤(低糖パン用)

出典:amazon

サフ セミドライイースト 金(耐糖タイプ)

出典:amazon

商品名 サフ インスタントドライイースト 赤(低糖パン用) サフ セミドライイースト 金(耐糖タイプ)
内容量 400g 400g
価格 852円 852円
公式サイト 

※上記の情報は2024年3月19日現在のものです。別途送料が必要な場合があります。

値段は商品によって異なる

値段は商品によって異なる

天然酵母とイーストの値段を以下にまとめました。

天然酵母 イースト
値段 自宅で手作り:0~200円ほど
市販品:700~2,000円ほど
※種類や商品による
300~2,000円ほど
※商品による

値段は商品やお店によって異なるため、どちらが安い・高いとは一概には言えません

天然酵母を自宅で起こす場合は、素材の購入が必要です。自宅で採れた素材を使用すれば、材料費は無料でチャレンジできます。市販品を購入する場合、1パックの値段は700~2,000円です。

イーストも商品により値段が異なりますが、300円から購入できます。

少量パックより量が多い方がお買い得ですが、開封後は酵母の発酵力が徐々に落ちてしまうため、パン作りの頻度に合わせて購入しましょう。

酵母・イースト・天然酵母の種類

酵母・イースト・天然酵母の種類

酵母・イースト・天然酵母それぞれには、どのような種類があるのかご紹介します。

  • パンに利用される酵母はサッカロマイセス・セレビシエ
  • イーストは4種類
  • 天然酵母は2種類

パンに利用される酵母はサッカロマイセス・セレビシエ

多種多様な酵母菌の中で、パンに利用される酵母はサッカロマイセス・セレビシエ(※)です。

(※)サッカロマイセス・セレビシエ・・・酵母の1種。細胞を芽のように出して増えるため出芽酵母とも呼ばれる。

イーストと天然酵母は、どちらもサッカロマイセス・セレビシエに分類されます。

酵母の働きは、糖をアルコールと二酸化炭素に分解するアルコール発酵です。発生した二酸化炭素によってパンは膨らみますが、アルコールは焼成時に気化してパンには残りません。

パン以外にもワイン、ウィスキーなどのアルコール作りにも利用されている酵母で、それぞれ用途別に分類されています。

ビール酵母がパンの発酵にも利用できるのは、元となる酵母が同じためでしょう。

国産ビール酵母粉末180g

出典:楽天市場

商品名 国産ビール酵母粉末180g
内容量 180g
価格 1,000円
公式サイト

※上記の情報は2024年3月19日現在のものです。別途送料が必要な場合があります。

イーストは4種類

イーストは、以下の4種類が市販されています。

  1. 生イースト
  2. ドライイースト
  3. インスタントドライイースト
  4. セミドライイースト

それぞれが持つ特徴や見た目は異なりますが、パンの発酵に適した酵母を培養して作られ、安定した発酵力を持つ点は共通しています。

作りたいパン生地やパン作りの頻度で使い分けるのがおすすめです。

どんなパン生地にも使用できるのは生イーストですが、2週間と短い保存期間が使いにくく感じるかもしれません。

長期保存が可能なドライイーストは、フランスパンなどのリーンなパン生地に向いています。

インスタントドライイーストとセミドライイーストには通常タイプと、砂糖の多い生地に向く耐糖タイプがあり、パン生地によって使い分けが可能です。インスタントドライイーストは広く普及しているため手に入りやすく、セミドライイーストは冷凍で製造から2年保存できます。

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生イースト

出典:楽天市場

サフ ドライイースト

出典:楽天市場

サフ インスタントドライイースト 赤+金

出典:amazon

日清 スーパーカメリヤドライイーストホームベーカリー用

出典:amazon

オーマイ ふっくらパンドライイースト

出典:amazon

サフ セミドライイースト 赤

出典:amazon

サフ セミドライイースト 金

出典:amazon

商品名 生イースト サフ ドライイースト サフ インスタントドライイースト 赤+金 日清 スーパーカメリヤドライイーストホームベーカリー用 オーマイ ふっくらパンドライイースト サフ セミドライイースト 赤 サフ セミドライイースト 金
内容量 100g 500g 18g(赤3g×3袋+金3g×3袋) 30g(3g×10袋) 18g(3g×6袋) 400g 400g
価格 371円 1,145円 450円 280円 650円 852円 852円
公式サイト

※上記の情報は2024年3月19日現在のものです。別途送料が必要な場合があります。

天然酵母は2種類

天然酵母は2種類

さまざまな種類がある天然酵母を大きく分けると、自家製タイプとドライタイプの2種類があります。

パン作りに使える時間と手間で使い分けるのがおすすめです。

天然酵母を自宅で培養するよりも、市販されているドライタイプを使用すれば多くの時間と手間が省けます。イーストに違い感覚で手軽に天然酵母パンを焼けるのは大きなメリットです。

初めての天然酵母パン作りをドライタイプで行って使用感に慣れた後、自家製タイプにチャレンジするのもおすすめです。

自家製天然酵母に使われる素材

自家製天然酵母に使用される代表的な素材は以下の通りです。

  • ドライフルーツ(レーズン・プルーン・いちじくなど)
  • 果物(リンゴ・バナナ・いちごなど)
  • 穀物(小麦粉・ライ麦・米など)
  • ハーブや花(桜・ローリエ・ホップなど)
  • その他(ヨーグルトなど)

自宅で種おこしをする場合に一般的なのは、ドライフルーツや生の果物を素材にした果実種です。

小麦粉やライ麦で作る天然酵母は、日本ではサワー種として広く知られています。国によって呼び方も異なり、古くから利用されてきた天然酵母です。

日本酒造りを参考に作られた酒種も天然酵母に含まれます。

ドライタイプの天然酵母の商品

市販されているドライタイプの天然酵母の中で、代表的な5種類の製品をご紹介します。

製品 特徴 準備
ホシノ天然酵母
  • お米由来
  • もっちりしっとり
種おこしが必要
あこ天然培養酵母
  • お米と麹を使用
  • くせのない味わい
種おこしが必要
とかち野酵母
  • エゾヤマザクラのさくらんぼから生まれた
  • フルーティーでやさしい風味
ドライイーストタイプ:予備発酵が必要(10~15分)

インスタントドライイーストタイプ:予備発酵不要

パネトーネマザー粉末
  • イタリアのコモ地方の伝統ある発酵種
  • 豊かな風味
種おこしも予備発酵も不要
白神こだま酵母
  • 無添加で自然のまま
  • ほんのり甘くてしっとり
種おこしも予備発酵も不要

製品によって焼き上がりの風味が異なります種おこし(※1)や予備発酵(※2)が必要なものや、そのまま粉に混ぜて使用できるものもあり、使い方もさまざまです。

(※1)種おこし・・・ぬるま湯に酵母を溶かし、種類によって40分~24時間発酵させること。種おこしにかかる時間は自家製酵母より短め。

(※2)予備発酵・・・生地をこねる前にぬるま湯に酵母を(種類によっては砂糖も)加えて溶かし10~15分発酵させること。休眠していた酵母を目覚めさせるために行う。

求めるパンの風味に合わせて選べる楽しさがあります。

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ホシノ丹沢酵母パン種

出典:amazon

出典:amazon

出典:amazon

出典:amazon

出典:amazon

商品名 ホシノ丹沢酵母パン種 あこ天然培養酵母ストロング とかち野酵母インスタントドライイースト パネトーネマザー粉末 白神こだま酵母ドライ
内容量 250g(50g×5袋) 250g 30g(5g×6袋) 100g 50g(10g×5袋)
料金 1,959円 2,680円 960円 324円 667円
公式サイト

※上記の情報は2024年3月19日現在のものです。別途送料が必要な場合があります。

パン酵母を購入できる場所

パン酵母を購入できる場所

 

パン酵母を購入できる場所3つをご紹介します。

  • 身近な場所で購入するなら『スーパー』
  • 他の酵母も実際に見て決めたいなら『製菓製パン材料店』
  • 確実に素早く手に入れたいなら『オンラインショップ』

身近な場所で購入するなら『スーパー』

身近な場所でパン酵母を購入できるのはスーパーです。

製菓コーナーや小麦粉のコーナーで販売されています。普段の買い物ついでに購入できるのは大きなメリットです。

しかし、取り扱いの種類が少ない場合や、パン酵母を販売していない場合もあります。大規模スーパーなら取り扱う種類は多い傾向ですが、一般的なインスタントドライイースト以外の酵母が置いてあるとは限りません。

他の酵母も実際に見て決めたいなら『製菓製パン材料店』

製菓製パン材料店なら、種類豊富なパン酵母を実際に見て購入できておすすめです。

イーストだけでなく、ドライタイプの天然酵母も複数取り扱っています。手に取って形状や原材料表示を確認できる他、スタッフに使い方やおすすめを聞ける点もメリットです。

しかし、製菓製パン材料店が身近にない場合もあります。遠出しなくてはいけない場合は、面倒に感じてしまうかもしれません。

確実に素早く手に入れたいなら『オンラインショップ』

確実にパン酵母を手に入れたいなら、オンラインショップがおすすめです。

ネット上で注文でき、外出することなく受け取りができます。オンラインショップにもよりますが、最速で翌日配送が可能なので素早く確実に手に入る方法です。

当日配送はまだ難しい場合が多く、パン作りをする前にあらかじめ注文しておく必要があります。商品代とは別に送料がかかる点は注意しましょう。

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富澤商店

出典:富澤商店

cotta

出典:cotta

オーダリー

出典:オーダリー

amazon

出典:amazon

楽天市場

出典:楽天市場

サイト名 富澤商店 cotta オーダリー amazon 楽天市場
ポイント ①老舗製菓製パン材料店
②合計金額5,980円以上で送料無料
①ラッピング用品も豊富
②送料全国一律
①スイートキッチンの後継
②月額2,000円で送料なしで何度でも配送
①なんでも揃っている
②合計金額2,000円以上で送料無料
①製菓製パン材料店の出品もあり
②合計金額3,980円以上で送料無料

※上記の情報は2024年3月19日現在のものです。別途送料が必要な場合があります。合計金額が上回っていても送料無料対象外となるケースもあります

酵母・イースト・天然酵母に関する3つの質問

酵母・イースト・天然酵母に関する3つの質問

 

ここからは、酵母やイースト・天然酵母に関して気になる質問をご紹介します。

 

  • Q1:天然酵母とイーストはどちらが体にいい?
  • Q2:天然酵母とイーストは併用できる?
  • Q3:イーストフードは酵母なの?

Q1:天然酵母とイーストはどちらが体にいい?

A:天然酵母もイーストも、体に良い悪いという差はありません

 

焼き上がったパンを食べても、酵母は生きて腸に届かないためです。キムチや納豆などの発酵食品に含まれる酵母は、生きたまま腸に届き腸内環境を整えたり、消化を助けたりして体や健康に良い影響をもたらします。

 

しかし、酵母が死滅する温度は60℃以上。パンは焼いて提供されるため、食べる前に酵母は死滅してしまいます。

 

健康への影響は、酵母やパンの配合に添加物が含まれていないか原材料表示を確認しましょう。酵母の場合は保存料やビタミンC、パンならイーストフードや乳化剤などの名前が添加物として記載されています。

 

添加物が含まれていなければ、酵母の違いが体に影響を及ぼすことはありません。

Q2:天然酵母とイーストは併用できる?

A:併用できます。

 

天然酵母とイーストの併用は、メーカーやパン屋でも行っている製法の1つです。

 

奥深い味わいのあるパンが焼ける天然酵母と、強く安定した発酵力を持つイーストのいいところを取り入れ、お互いの短所を補い合えるメリットがあります。

 

ふんわりとした食感で、奥深く複雑な味わいのパンを焼くならおすすめの製法です。

Q3:イーストフードは酵母なの?

A:酵母ではありません。添加物です。

 

イーストフードは、パン酵母の栄養源となり発酵を助ける働きを持つ添加物の総称です。

 

パンの品質や食感の向上、パンの劣化を遅らせるなどの目的で使用されています。国にも安全性や有用性が認められ、食品衛生法でも使用が許可されている添加物です。

 

食品の安全面や健康面で問題はありませんが、イーストフードが使われているか気になる場合は、原材料表示を確認しましょう。

酵母とイーストに違いはないが、天然酵母とイーストには違いがある!

酵母とイーストに違いはないが、天然酵母とイーストには違いがある!
酵母とイーストに違いはなく同じものです。しかし、天然酵母とイーストを比較すると、それぞれ強みや欠点があることがわかります。

▼天然酵母

  • 発酵力が弱く不安定
  • 噛み応えがあり、複雑で奥深い風味が感じられるパン
  • 手間と時間がかかる

▼イースト

  • 強く安定した発酵力
  • イースト臭はあるが、柔らかくて軽いパン
  • こね始めるまでに時間がほとんど必要ない
両者に優劣はなく、特徴を生かした美味しいパンを焼けることにも違いはありません。パン酵母の特性を知ることでパン作りの幅も広がります。それぞれの違いを理解して、ご自宅で理想のパン作りを楽しんでくださいね。

執筆者

中村ことは
中村ことは
パン職人歴14年。本場の製パン技術を学びたくてフランス留学も経験。自宅でも酵母おこしやパン作りを楽しんでいます。ドイツパンやフランスパンをオープンサンドにして食べるのが好きなWebライターです。
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