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【成功事例つき】パン屋を開業したら年収1,000万円も超える?

パン屋を開業したら年収1,000万円を超える?シミュレーションや実例

「パン屋を開業したら、どのくらいの年収になるのだろう・・・」

 

自分のお店を持つのが昔からの夢で、パン屋を開業したい気持ちはあるものの、稼げなさそうと感じる人は多いのではないでしょうか。

パン屋を開業しても年収は高くならず、開業のリスクだけなら個人店やチェーン店で大好きなパンに関わって働いた方がいいですよね。

 

結論からいうと、パン屋を開業すれば年収1,000万円以上も夢ではありません。

ただし、何も考えずにお店をOPENしただけでは年収1,000万円は難しいでしょう。

年収1,000万円を目指すなら、何かしらの施策が必要です。

 

この記事では、パン屋を開業した人の年収や実際の成功モデルについて解説していきます。

この記事でわかること

  • パン屋さんを開業した人の年収や成功モデル
  • パン屋さんの開業資金や費用を準備できない時の対処法
  • パン屋さんを開業するまでのスケジュール
  • パン屋さんの開業で失敗しない方法
目次

パン屋開業者の年収は1000万円以上を目指せる

パン屋開業者の年収は1000万円以上を目指せる

パン屋で働く製造業の平均年収は340万円ですが、開業すれば年収1,000万円以上も狙えます。

(参考:貸金構造基本統計調査(2019年)|e-Stat政府統計の総合窓口

バイトや社員だと給料は一定ですが、開業者ならパン屋の売上に応じて年収が上がるからです。

店舗によりますが、中小企業庁の調査結果によるとパン屋の粗利率は62.0%

人件費は約26%で、他にかかる費用は【家賃・水道光熱費・広告宣伝費】です。

(参考:中小企業の経営指標|中小企業庁

年収1,000万円を目指すなら、300円のパンを月に36,834個(25日出勤で1日1,473個)販売すれば可能です。

【週1日休みで計算】

  • 300円×7,500=225万円
  • 225万円の粗利率62%139.5万円
  • 人件費26%と他費用を合わせて40%計算で54万円
  • 5万円-54万円=85.5万円
  • 5万円×12ヶ月で1,026万円

上記はあくまでもシミュレーションですが、1300個のパンの製造や販売ができるのであれば、パン屋を開業して年収1,000万円も目指せます。

【事例】週3日の営業で2年目から年商2,000万円を超えた『coboto bakery

【事例】週3日の営業で2年目から年商2,000万円を超えた『coboto bakery』

2018年から兵庫県の姫路市で『coboto bakery』というパン屋を開業した人のデータを参考にすると、2年目から年商(売上)2,000万円を達成しています。

coboto bakeryは、オーガニックの小麦や自家製発酵種などの材料にこだわっているので、利益率は2325%と普通のパン屋に比べて低いのですが、開業2年目で年収は約500万円(2,000万円の25%で計算)です。

下記に、パン屋の立地や営業時間、15年目までの売上推移をまとめましたので参考にしてください。

  • 開業者の経歴:パン屋さんで働いたことがない
  • 店舗名:coboto bakery(コボト ベーカリー)
  • 立地:閑静な住宅街
  • 販売形態:店頭とWEB
  • 店舗:テナント
  • 広さ:12坪(イートインなし)
  • パン焼き作業:1人(開業者)
  • バイト:数名(補助1名・販売1名)
  • 営業日:土曜〜月曜日(2日は仕込み、1日はWEBなどの事務作業)
  • 営業時間:11:0016:00
  • 住所:姫路市梅ヶ枝町873-1
  • 最寄り駅:姫路駅から車で14

【売上推移と年収】

※年収は利益率25%で計算

営業年度 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(見込み)
日商 710万円 1015万円 1317万円 1418万円 1821万円
月商 100130万円 140170万円 170220万円 200220万円 230240万円
年商 1,100万円 2,000万円 2,400万円 2,650万円 2,8002,900万円
1日の商品数 200220 300380 320390 340400 400450
年収 275万円 500万円 600万円 662.5万円 700725万円

<参考>

年収は3年目から5年目(現在)まで、毎年約50万円ずつ増えています。

順調にいけば開業10年目で年収1,000万円に到達できるでしょう。

パン屋の開業に必要な資金と資格

パン屋の開業に必要な資金と資格

パン屋を開業するためにはある程度の資金と必要な資格があります。

パン屋を開業するための初期費用は最低でも約1,000

パン屋を開業するには少なくとも1,000万円は準備しておいた方がいいでしょう。

開業には、物件などの設備や運営費がかかります。

  • 店舗費用(20)200400万円(家賃6ヶ月+前家賃1ヶ月+仲介手数料3ヶ月) ※東京23区内
  • オーブン:約10300万円
  • ミキサー(生地をこねる):約20100万円
  • ホイロ(発酵器):約5100万円
  • ラウンダー(分割丸め機):約30300万円
  • リバースシーター(パン生地を薄く伸ばす機械):約435万円
  • フライヤー:約5178万円
  • 冷凍冷蔵庫:約1664万円
  • シンク:約222万円
  • 運営費:100万円

新品か中古で購入するかによっても費用にバラつきがあります。

費用を抑えたい方は、ヤフオクなどのサイトも利用してみてもいいかもしれません。

<参考>

【事例】姫路でパン屋をOPENした『coboto bakery』の開業資金

2018年から兵庫県の姫路市:合計1,380万円】

  • 内装工事費(敷金・礼金含む):約700万円(12坪)
  • デッキオーブン(平窯):約200万円
  • ミキサー:約40万円(中古)
  • ドゥ・コンディショナー(※1):約150万円
  • 冷蔵庫・冷凍庫:約80万円(2台)
  • リバースシーター(※2):約80万円
  • 製粉機:約40万円
  • 運転資金:100万円

(※)ドゥ・コンディショナー・・・冷凍パン生地の保冷、解凍、予熱、ホイロをしてくれる機械

(参考:小さいパン屋を始めるのに必要な設備と予算|youtube

パン屋開業に必要な資格と手続き

パン屋には開業するのに必要な資格や手続きがあります。

表にまとめましたので、参考にしてください。

名称 資格 or 手続き 概要 取得条件 費用 申請場所
食品衛生責任者 資格 食品を取り扱う店舗で必要 講習(6時間)

※地域によって小テストもあり

1万円程度

※地域によって異なる

各自治体の衛生センター
飲食店の営業許可 手続き カフェスペースがある場合 申請から1日〜2週間程度

※自治体によって異なる

16,00019,000

※保健所によって異なる

管轄の保健所
菓子製造許可 手続き 菓子パンを販売するために必要 製造場所の検査を通過すれば当日からOK

※検査は申請して約2週間

14,00017,000

※保健所によって異なる

管轄の保健所
食料品等販売業の営業許可 手続き 製造もしくは仕入れた食品の販売に必要な許可 製造場所の検査して数日後

※検査は申請して約10日前

13,200

※東京都の場合

管轄の保健所

パン屋の開業資金が足りない場合の5つの方法

パン屋の開業資金が足りない場合の5つの方法

パン屋を開業するのに必要な資金が足りない場合は下記5つの方法で準備しましょう。

  1. 補助金を活用する
  2. クラウドファンティングを使う
  3. 日本政策金融公庫から融資してもらう
  4. ベーカリー機材を中古またはリースする
  5. 住宅費が安い田舎でお店を開く

おすすめの方法から、ご紹介していきます。

補助金を活用する

返済不要な補助金を使えば、パン屋を開業する際に資金面で少し楽になります。

表にパン屋を開業する時に利用できる補助金と概要などをまとめたので参考にしてください。

補助金 概要 補助額 補助率 対象者 申し込み時期
創業補助金 賃貸料・広告費・器具備品購入費(パソコンなど)・従業員人件費などの経費 100300万円 経費の3分の1 ・東京都内で創業計画を立てている人

・東京都内で開業して5年未満の方

令和5411日〜令和5420
小規模事業者持続化補助金 冷凍庫・パンを並べるための棚・インターネット広告費など 最大50万円 3分の1 小規模事業者である(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下) など 準備中

<参考>

クラウドファンティングを使う

パン屋の開業資金を集めるのにクラウドファンティング(※)を使うのも1つの方法です。

(※)クラウドファンティング・・・目標金額を決めて、定めた期間で不特定多数の人から少額ずつ支援金を集めるサービス。支援金された金額に応じて、お礼のサービスや商品を用意する

クラウドファンティングは借金ではありませんので返済義務はありません。

あなたの開業したいパン屋の熱い想いが支援者に伝われば100万円以上集めることも可能です。

実際に、2022317日〜2022429日までクラウドファンティングをした21歳の青年は230万円以上の資金を集めています。

(引用:物置小屋からはじまる21歳のパン屋立ち上げプロジェクト!!|CAMPEIRE

開業資金が若干足りない時は、クラウドファンティングを使ってみてもいいかもしれません。

日本政策金融公庫から融資してもらう

パン屋を開業するのに自己資金がある程度あるなら、日本政策金融公庫の『新創業融資制度』を使えば、無担保・無保証人で最大3,000万円(運転資金1,500万円)まで融資してもらえる可能性があります。

条件は、融資金額の10分の1を自己資金で用意すること。利率は人によって違いますが、現在(令和531日)は1.053.45%(無担保・無保証人)です。

(参考:国民生活事業|日本政策記入公庫

実際に、姫路で『coboto bakery』を開業した方も500万円の融資を受けられました。

 

(引用:小さいパン屋の開業時における資金調達について(資金調達額の内訳を公開、資金調達方法について|youtube

日本政策金融公庫は、事業実績のない個人事業主でも事業計画書をしっかり作成すれば審査に通過突破もできますので、パン屋の開業資金が足りない場合は利用すべき制度だと言えます。

ベーカリー機材を中古またはリースする

パン屋の開業時の費用を少しでも抑えるなら、ベーカリー機材を中古やリースしましょう。

表に、メリット・デメリットを載せましたので参考にしてください。

方法 メリット デメリット
中古 安く手に入る メルカリ・ヤフオクなどのサイトだと機材に詳しくないと壊れるのが早い場合もある
リース ・月額料金なので初期費用を抑えられる

・閉店する場合にも返却するだけでOK

・リース会社によっては満額支払いが完了すれば所有権が自分になる

・所有権がリース会社

⑤住宅費が安い田舎でお店を開く

毎月の固定費の不動産費用が抑えたいなら、住宅費の安い田舎でパン屋を開業しましょう。

競合のパン屋も都心に比べて少ないので、人気が出れば都会で開業するより利益を得られます。

ただし都心に比べて人が少ないので、SNSWEB販売などを活用しないと集客できない場合もあります。

集客の目処があるなら、都心に比べて住宅費が安い田舎の方が固定費を抑えられるので、おすすめです。

パン屋の開業までの流れ

パン屋の開業までの流れ

パン屋をオープンするまでの流れは下記です。

  • どんなパン屋を作りたいかコンセプトやメニューを決める
  • 市場調査をして、決めたコンセプトの需要がある場所を決める
  • 店のデザインを決める
  • 必要な資金の準備
  • パン屋の開業に必要な資格の取得や手続きをする
  • 厨房や売り場を作る
  • 仕入れ先を探して商品の価格を決める
  • 必要であれば人材採用をする
  • ネットやSNSでパン屋について発信し集客をする
  • パン屋をオープンする

パン屋の開業で失敗(倒産)しないための方法5

パン屋で失敗しないための方法5つ

帝国データバンクの20102019年にデータによると業歴3年未満のパン屋の倒産率は約10%310年未満は約19%あり、開業して10年以内に約3割が潰れています。

パン屋の業界別の倒産率

(引用:パン屋の倒産、過去最多〜近畿エリアで急増〜|帝国データバンク

パン屋を開業するのはスタートでありゴールではありませんので、すぐに倒産しないための方法を5つまとめました。

  1. 競合店と差別化できるポイントを決める
  2. 新規顧客を増やす施策を行う
  3. パンの値段は利益が出る価格設定にする
  4. 運転資金に余裕を持つ
  5. ノウハウのある人に教えてもらう

それぞれ解説していきます。

競合店と差別化できるポイントを決める

パン屋で失敗しないために重要なことは、他のパン屋と差別化できるポイントを決めることです。

商品力でもいいですし、SNSで有名なパン職人が作っているなど差別化ポイントがあれば常連のお客さんを獲得ができますので経営が安定します。

例えば、最近カレーパンで有名な『小麦の奴隷』です。

カレーパンの周りについているゴツゴツしたクルトンは見た目にインパクトがあり、食べた時のザックザクの食感も一度食べたら忘れません。

【小麦の奴隷】名物「ザックザクカレーパン」

(引用:【小麦の奴隷】名物「ザックザクカレーパン」クルトンの使用量が1億個を突破!ホリエモン発案エンタメパン屋|PRZTIMES

加えて、ホリエモン(堀江貴文)がプロデュースしているので話題性もあり、2022年には3年連続で『カレーグランプリ』に金賞を受賞しました。

パン作りの技術力も大事ですが、今の世の中おいしいパンはいくらでもあります。自分のお店ならの差別化ポイントでお客さんのハートをガシッと掴んで経営難になるのを回避しましょう。

新規顧客を増やす施策を行う

パン屋で失敗しないためには、ビラを配って地域の人にお店の周知やSNSで焼き立てのパンを発信するなど新規顧客を増やす施策が大切です。

何も行動を起こさないでいると売上に大きな変化はしませんので、何かの拍子にお客さんが来なくなると経営難になる場合もあります。

20203月下旬に流行ったコロナのようなことは、滅多に起きないとは思いますが、パン屋の経営が苦しい事態を招かないためにも新規顧客を増やす施策はした方がいいでしょう。

パンの値段は利益が出る価格設定にする

パンは作ってもすべて売れる訳ではありませんので、利益の出る金額で販売しましょう。

例えば、あんパンの材料原価が150円で販売価格が150円の場合です。

1個売れれば100円のプラスですが、1個売れ残るとマイナス50円で利益は合計50円。

利益から【家賃・水道光熱費・人件費】などを引くので、結果的に儲けが出ないなんてこともあるでしょう。

パン屋を続けていくには、売れる価格設定で利益が残るようにする必要があります。

運転資金に余裕を持つ

パン屋を開業しても経営が軌道にのらないと、毎月の家賃などの固定費で閉店に追い込まれる可能性もあるので運転資金は余裕を持っておきましょう。

よく言われる目安は、事業が軌道にのるまで経営ができる3ヶ月程度の資金。

せっかく開業して売上が伸びてきたとしても、運営できる資金がなければ閉店の道しかありません。

売上が伸びてきて閉店はもったいないので、パン屋を開業するなら運転資金には余裕を持ちましょう。

ノウハウのある人に教えてもらう

パン屋を開業しても失敗したくないのであれば、最初からノウハウのある人に教えてもらうのが得策です。

既にパン屋の開業経験があり、店舗での成功・失敗のパターンを熟知しているので倒産する確率をグーンと下げられます。

また、パン屋に必要な機材や商品開発にも力を貸してくれるので、どうしたらいいのだろう・・・と一人で悩むことはありません。

パン屋の開業に絶対に失敗したくない人は、ノウハウのある人にまずは相談してみてください。

パン屋を開業すれば年収1,000万円以上を目指せる!

パン屋を開業すれば、製造業の社員では目指せない年収1,000万円以上が狙えます。

ただ、パン屋を開業するには、最低でも1,000万円程度の資金が必要ですし、経営も簡単ではありません。

資金が足りない場合は、補助金やクラウドファンティング、日本政策金融公庫から融資など何かしらの方法で資金を集めましょう。

経営に失敗しないためにも、開業前に競合調査をして独自の差別化ポイントを決めましょう。

もし、開業手続きや経営面でつまづいたのであれば、ノウハウのある経験豊富な人に相談することをおすすめします。

執筆者

棚網 義幸
棚網 義幸
年間500個のパンを食べるパン好き。パンが好き好きすぎて2022年に白神こだま酵母(天然酵母)でパンを作っている株式会社サラ秋田白神に入社。現在は、毎朝天然酵母パンを食べて、休日はパン屋巡りをしています。
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