【成功事例多数】パン屋を開業したら年収1,000万円も超える?

【成功事例多数】パン屋を開業したら年収1,000万円も超える?

【執筆者】

津田 雅俊

津田 雅俊
株式会社サラ秋田白神代表取締役。
白神こだま酵母を使ったパン屋の開業や経営、製造や販売にも従事。

「パン屋を開業したら、どのくらいの年収になるのだろう・・・」

 

自分のお店を持つのが昔からの夢だけど、今の生活を捨ててまで、リスクのある開業をしようとする人は少ないのではないでしょうか。

もしお店を持つことができたとしても、人気店にならないと年収が高くならないのであれば、チェーン店や個人店のベーカリーで大好きなパンに関わって働いた方がいいですよね。

 

正直なことをお伝えすると、パン屋を開業すれば年収1,000万円以上も夢ではありません。

ただし、闇雲にお店をOPENしても年収1,000万円を達成するのは難しいでしょう。

年収1,000万円を目指すなら、立地選びや宣伝は必要です。

 

この記事では、パン屋を開業した人の年収や実際の成功モデルについて解説していきます。

この記事でわかること

  • パン屋さんを開業した人の年収や成功モデル
  • パン屋さんの開業資金や費用を準備できない時の対処法
  • パン屋さんを開業するまでのスケジュール
  • パン屋さんの開業で失敗しない方法
パン屋の開業をお考えの方へ
  • パン屋で働いた経験はないけど、パン屋開業の夢がある
  • パン屋を開業したいけど、何をすればいいのかわからない
  • パン屋の開業を考えているけど、材料の仕入れ先が決まっていない
  • パン屋を開業するための機材費を少しでも節約したい

弊社では、パン作り未経験の方でもパン屋をスムーズに開業できるように丁寧なサポートをさせていただきます。

どのようなサポートを受けられるのか?など、気になる方は、まずは下記からお気軽にお問い合わせください。

※記事で紹介した商品を購入した場合、売上の一部がGOOPANに還元されるケースがあります。
※記事に掲載されている情報は、GOOPANが独自に調査したものであり、掲載価格の変動や登録ミスにより情報が変わる可能性があります。

※最新価格や詳細情報につきましては、メーカーや販売店、各ECサイトにご確認いただくことをお勧めいたします。

目次

パン屋開業者の年収は1,000万円以上を目指せる

パン屋開業者の年収は1,000万円以上を目指せる

パン屋で働く製造業の平均年収は340万円ですが、開業すれば年収1,000万円以上も狙えます。

(参考:貸金構造基本統計調査(2019年)|e-Stat政府統計の総合窓口

バイトや社員だと給料は一定ですが、パン屋のオーナーになれば売上に応じて年収がUPするからです。

店舗によりますが、中小企業庁の調査結果によるとパン屋の粗利率は62.0%

人件費は約26%で、他にかかる費用は【家賃・水道光熱費・広告宣伝費】です。

(参考:中小企業の経営指標|中小企業庁

 

年収1,000万円を目指すのであれば、300円のパンを月に36,834個(25日出勤で1日1,473個)販売すれば計算上可です。

【簡単なシミュレーション:週1日休みで計算】

  • 売上:300円×36,834個=1,105万円
  • 粗利:1,105万円の粗利率62%685万円
  • 人件費など:人件費26%と他費用を合わせて54.4%計算で601万円
  • 月の粗利:685万円-601万円=84万円
  • 年間利益:84万円×12ヶ月で1,008万円

    【事例】開業資金480〜3,200万円の年商2,000万〜1億円の売上のある店舗一覧

    表に、パン屋さんを開業する際にかかった費用や年商のデータをまとめたので参考にしてください。

    ※年商は、客数×客単価×営業日数で筆者が計算しています

    スクロールできます
    比較項目 マイニチパン ベーカリーフクパン クルス ベーカリーアベ オパン ブーランジェリーセット マツパン
    都道府県 福岡
    (北九州)
    東京
    (練馬)
    京都府
    (京都)
    神奈川県
    (横浜)
    東京
    (笹塚)
    千葉
    (佐倉)
    福岡
    (福岡市)
    店舗規模 4坪 11坪 9坪 13坪 8.8坪 32坪 15坪
    年商 約2,611.2万円 約2,486.4万円 約2,160万円 約4,200万円 約7,200万円 約2,880万円 約1億368万円
    立地 閑静な住宅街 閑静な住宅街 閑静な住宅街 富裕層が多い住宅街 商店街 線路沿い 下町エリアの住宅街 ※周りにパン屋がないことが条件
    集客方法
    • ホームページ
    • SNS
    老若男女が誰でも入れる内装にした 開業する前の無店舗でイベントや催事など1年間活動 立地選び(公園の前) インスタ・フェイスブック 口コミ 人気店でスーシェフした経歴によるもの
    製造人数 1人 1人 3〜4人 1人 1.5人 2人 6人
    客数と客単価(平日)
    • 40人
    • 1,600円
    • 120人
    • 900円
    • 100人
    • 1,500円
    • 160人
    • 750円
    • 270人
    • 750円
    • 100人
    • 1,000円
    • 350人
    • 900円
    客数と客単価(土日)
    • 60人
    • 1,600円
    • 140人
    • 1,000円
    • 150人
    • 1,500円
    • 200人
    • 800円
    • 350人
    • 750円
    • 150人
    • 1,000円
    • 450人
    • 1,000円
    営業時間 9~18 8~18 9~18 8~19 8~19 9~14,16〜18:30 8~18
    定休日 不定休 日・月・木 月・火・水 月・第2,4火 日・月 月・第2火
    開業資金 480万円 1000万円 1,300万円 1400万円 1500万円 2,500万円 3,200万円

    <参考>

    • 菓子店パン店開業読本|柴田書店
    • Bakery book ベーカリーの店づくり新傾向|柴田書店

     

    詳細な立地や条件、開業資金の内訳などを1つずつ解説していきます。

    開業資金480万円で年商約2,611.2万円の『マイニチパン』

    2019年7月に福岡県・北九州市で開業した『マイニチパン』は、開業資金480万円で年商が約2,611.2万円あります。開業資金が安いのは、奥さんの実家の持ち家を改装したためです。

     

    立地は悪いですが、ホームページやSNSで上手に集客しています。

     

    お店のコンセプトは、”ベーカリー&ロースター“。パンは国産小麦を使ったハード系のパンが多く、コーヒーも提供している民家ベーカリーです。

     

    民家を改装したパン屋なため、人目にはつきにくいですが、ホームページやSNSを上手に使って、お客さんを獲得しています。

     

    下記に、パン屋の立地や条件、開業資金と内訳を載せましたので参考にしてください。

    立地や条件

    • 開業者の経歴:大手ベーカリーでパン作りを学んでいたパン職人
    • 立地:閑静な住宅街
    • 集客方法:ホームページ・SNS
    • 店舗:自宅
    • 広さ:4坪(売場:0坪、厨房:4坪)※家の窓から販売
    • 日商:約7.25万円
    • 月商:約217.6万円 ※30日で計算
    • 客数(平日):40人
    • 客数(土日):60人
    • 客単価:1,600円
    • 製造人数:1
    • 販売:1名(妻)
    • 商品数:約30
    • バイト:夫婦(補助1名・販売1名)
    • 営業時間:9:0018:00
    • 定休日:不定休
    • 住所:福岡県北九州市八幡西区折尾4-7-3
    • 最寄り駅:JR折尾駅から徒歩1分

     

    開業資金と内訳

    • 資金の集め方:不明(自己資金の可能性大)
    • 物件取得費持ち家
    • 内外装費200万円
    • 厨房設備費80万円
    • 什器備品:200万円 ※運転資金を含む
    • 運転資金:なし
    • 合計480万円

    開業資金1,000万円で年商約2,486.4万円の『ベーカリーフクパン』

    2016年6月に東京・光が丘で開業した『ベーカリーフクパン』は、開業資金1,000万円で年商が約2,486.4万円あります。開業資金を抑えられたのは、自宅の一部を改装したためです。

     

    主な集客方法は見つかりませんでしたが、過去に経営していた『パティスリーアスカ(ケーキ屋)』の常連客、老若男女誰もが入れる雰囲気のお店作りが影響していると思われます。

     

    お店のコンセプトは、”子どもに安心して食べさせられるパン“。パンは北海道産の小麦を使い、【食パン・菓子パン・惣菜パン・サンドイッチ】などを提供しています。

     

    下記に、パン屋の立地や条件、開業資金と内訳を載せましたので参考にしてください。

    立地や条件

    • 開業者の経歴:元パティシエでベーカリースタッフの経験者。製パン技術は独学。
    • 立地:閑静な住宅街
    • 集客方法:『パティスリーアスカ』時の常連客+老若男女が誰でも入れる内装
    • 店舗:自宅
    • 広さ:11坪(売場:3.5坪、厨房:7.5坪)
    • 日商:約6.9万円
    • 月商:約207.2万円※30日で計算
    • 客数(平日):120人
    • 客数(土日):140人
    • 客単価:900〜1,000円
    • 製造人数:1
    • 販売:1名
    • 商品数:約60
    • 営業時間:8:0018:00
    • 定休日:日・月・木曜
    • 住所:東京都練馬区高松4-30-8
    • 最寄り駅:都営大江戸線光が丘駅から徒歩約15分

     

    開業資金と内訳

    • 資金の集め方:親族から借入
    • 物件取得費持ち家
    • 内外装費700万円
    • 厨房設備費250万円
    • 什器備品:なし
    • 運転資金:50万円
    • 合計1,000万円

    開業資金1,300万円で年商約2,160万円の『クルス』

    2019年12月に京都府・京都市で開業した『クルス』は、開業資金1,300万円で年商が約2,160万円あります。

     

    クルスのオーナーの中川さんは開業する前に、無店舗でイベントや催事など1年間活動していました。その時の評判が結果として集客に繋がっています

     

    お店のコンセプトは、気軽に毎日通える”第2の家のような店“。パンは小麦粉を20種類使い分け、ルヴァン・リキッドをオーバーナイト製法を使い複雑な味を出していて地元客から評判です。

     

    下記に、パン屋の立地や条件、開業資金と内訳を載せましたので参考にしてください。

    立地や条件

    • 開業者の経歴:複数のお店で修行したパン職人
    • 立地:閑静な住宅街
    • 集客方法:開業する前の無店舗でイベントや催事など1年間活動
    • 店舗:元洋食店の物件
    • 広さ:9坪(売場:約3坪、厨房:約6坪)
    • 日商:約6万円
    • 月商:約330万円 ※30日で計算
    • 客数(平日):100人
    • 客数(土日):150人
    • 客単価:1,500円
    • 製造人数:3〜4
    • 販売:2名(妻含む)
    • 商品数:約40
    • 営業時間:9:0018:00
    • 定休日:月〜水
    • 住所:京都市中京区西大黒町334 コーポラス二条1F
    • 最寄り駅:京都市営地下鉄鳥丸卸池駅または丸太町駅から徒歩8〜9分

     

    開業資金と内訳

    • 資金の集め方:不明(自己資金の可能性大)
    • 物件取得費100万円
    • 内外装費580万円
    • 厨房設備費300万円
    • 什器備品:220万円
    • 運転資金100万円
    • 合計1,300万円

    開業資金1,400万円で年商約4,200万円の『ベーカリーアベ』

    2016年4月に神奈川県・横浜市青葉区で開業した『ベーカリーアベ』は、開業資金1,400万円で年商が約4,200万円あります。

     

    ベーカリーアベのオーナーの阿部さんは、パンとスイーツの激戦区と言われる横浜市青葉区でも、自身が作りたいハード系のパンは富裕層の多いこのエリアで受け入れられると判断し、立地選びに成功しています。

     

    お店のコンセプトは、”ハード系“のパンで目的をもった方に来店していただけること。

     

    パンはハード系の食事パンを中心に、バゲッド・食パンを1日2回焼成し、価格を抑えて販売しています。

     

    下記に、パン屋の立地や条件、開業資金と内訳を載せましたので参考にしてください。

    立地や条件

    • 開業者の経歴:約13年パン屋で勤務
    • 立地:富裕層が多い住宅街
    • 集客方法:立地選び(富裕層エリア+公園の前)
    • 店舗: ビル
    • 広さ:13坪(売場:6坪、厨房:7坪)
    • 日商:約10.5万円
    • 月商:約350万円※30日で計算
    • 客数(平日):160人
    • 客数(土日):200人
    • 客単価:750〜800円
    • 製造人数:1
    • 販売:2名(妻含む)
    • 商品数:約40
    • 営業時間:7:3019:00
    • 定休日:月曜
    • 住所:神奈川県横浜市青葉区柿の木台3-20
    • 最寄り駅:東急田園都市線藤が丘駅から徒歩7〜8分

     

    開業資金と内訳

    • 資金の集め方:不明(自己資金の可能性大)
    • 物件取得費180万円
    • 内外装費550万円
    • 厨房設備費600万円
    • 什器備品:70万円
    • 運転資金:なし
    • 合計1,400万円

    開業資金1,500万円で年商約7,200万円の『オパン』

    2016年4月に東京都・渋谷区笹塚で開業した『オパン』は、開業資金1,500万円で年商が約7,200万円あります。

     

    オープン前からインスタやFacebookで発信していたので、開業初日でも客足は順調でした。

     

    お店のコンセプトは、”ほっとするような温かみのあるパン“。あんぱんやクリームパンなどの菓子パンや惣菜パン、クロワッサン、バゲッドなど幅広く提供しています。

     

    また、小さな子供が1人でも気軽に通えるように、コック帽を被ったオリジナルキャラクターを開発するなどマーケティング要素のあるパン屋さんです。

     

    下記に、パン屋の立地や条件、開業資金と内訳を載せましたので参考にしてください。

    立地や条件

    • 開業者の経歴:都内・仏・パリで修行後にベーカリー勤務
    • 立地:商店街
    • 集客方法:インスタ・Facebook
    • 店舗:居抜き物件
    • 広さ:8.8坪(売場:2.8坪、厨房:6坪)
    • 日商:約200万円
    • 月商:約600万円※30日で計算
    • 客数(平日):270人
    • 客数(土日):350人
    • 客単価:750円
    • 製造人数:4〜5
    • 販売員:2〜3人
    • 商品数:約60
    • バイト:数名(補助1名・販売1名)
    • 営業時間:8:0019:00
    • 定休日:月・第2,4火
    • 住所:東京都渋谷区笹塚1-9-9
    • 最寄り駅:京王線笹塚駅から徒歩約3分

     

    開業資金と内訳

    • 資金の集め方:自己資金500万円+日本政策金融公庫
    • 物件取得費90万円
    • 内外装費800万円
    • 厨房設備費560万円
    • 什器備品:30万円
    • 運転資金:20万円
    • 合計1,500万円

    開業資金2,500万円で年商約2,880万円の『ブーランジェリーセット』

    2019年3月に千葉県・佐倉市で開業した『ブーランジェリーセット』は、開業資金2,500万円で年商が約2880万円あります。

     

    『ブーランジェリーセット』は、電車から見える場所にオープンしたことで、宣伝しなくても口コミの評判で売上を伸ばした、立地選びに成功したパン屋です。

     

    お店のコンセプトは、調査してもわかりませんでしたが”自分がおいしいと思ったパンを提供したい“という思いでパンを焼いています。

     

    パンはヴィエノワズリー、ハード系、食事パンが50〜60品並び、地元の子どもからお年寄りまで幅広い層から人気のベーカリーです。

     

    下記に、パン屋の立地や条件、開業資金と内訳を載せましたので参考にしてください。

    立地や条件

    • 開業者の経歴:人気ベーカリー『トラン・ブルー』で9年勤務
    • 立地:線路沿い
    • 集客方法:口コミ
    • 店舗:ビル
    • 広さ:32坪(売場:11坪、厨房:約11坪)
    • 日商:約8万円
    • 月商:約240万円※30日で計算
    • 客数(平日):100人
    • 客数(土日):150人
    • 客単価:1,000円
    • 製造人数:2人
    • 販売員:2人
    • 商品数:約60
    • 営業時間:9:0014:00,16:00〜18:30
    • 定休日:日・月
    • 住所:千葉県佐倉市表町1-1-3 皆信ビル1F
    • 最寄り駅:JR総武線佐倉駅から徒歩数十秒

     

    開業資金と内訳

    • 資金の集め方:自己資金+両親から支援+銀行と日本政策金融公庫
    • 物件取得費100万円
    • 内外装費1,200万円
    • 厨房設備費900万円
    • 什器備品:100万円
    • 運転資金200万円
    • 合計2,500万円

    開業資金3,200万円で年商約1億368万円の『マツパン』

    2016年2月に福岡県・中央区で開業した『マツパン』は、開業資金3,200万円で年商が約1億368万円あります。

     

    宣伝はしなくても人気な理由は、オーナーシェフの松岡さんが福岡を代表する『パンストック』でスーシェフとして働いていた影響が大きいです。

     

    また、周りにパン屋がないことを条件に立地を選んだのも成功した理由の1つ。

     

    お店のコンセプトは、”いつも食卓にあって、もっとおかわりしたくなる“。約70種類のパンがあり、価格帯は100〜200円台のパンが中心でお買い求めやすいベーカリーです。

     

    下記に、パン屋の立地や条件、開業資金と内訳を載せましたので参考にしてください。

    立地や条件

    • 開業者の経歴:『パン・ナガタ』で6年。福岡を代表する『パンストック』でスーシェフとして2年勤務
    • 立地:下町エリアの住宅街 ※周りにパン屋がないことが条件
    • 集客方法:パンストック出身の経歴の影響
    • 店舗:2階建て
    • 広さ:15坪(売場:5坪、厨房:10坪)
    • 日商:約28.8万円
    • 月商:約864万円※30日で計算
    • 客数(平日):350人
    • 客数(土日):400人
    • 客単価:900〜1,000円
    • 製造人数:6
    • 販売員:1人
    • 商品数:約70
    • 営業時間:8:0018:00
    • 定休日:月・第2火
    • 住所:福岡県中央区六本木松4-5-23
    • 最寄り駅:地下鉄六本木駅から徒歩7分

     

    開業資金と内訳

    • 資金の集め方:不明(自己資金の可能性大)
    • 物件取得費200万円
    • 内外装費1,300万円
    • 厨房設備費1,200万円
    • 什器備品:300万円(人件費)
    • 運転資金200万円
    • 合計3,200万円

    パン屋を開業する際の資金について詳しく知りたい方は下記の記事もチェックしてみてください。

    参考にどうぞ
    【シミュレーションあり】パン屋開業に資金はいくら必要?具体的な金額や内訳 【執筆者】 津田 雅俊 株式会社サラ秋田白神代表取締役。 白神こだま酵母を使ったパン屋の開業や経営、製造や販売にも従事。 「パン屋の開業に必要な資金はどのくらい?...

    【事例】週3日の営業で2年目から年商2,000万円を超えた『coboto bakery

    【事例】週3日の営業で2年目から年商2,000万円を超えた『coboto bakery』

    2018年から兵庫県の姫路市で『coboto bakery』を開業者のデータを参考にすると、1年目は年商約1,100万円、2年目から年商(売上)2,000万円を達成しています。

     

    売上が180%も増えた要因は下記です。

    • 業務用エアコンを増やして折り込みアイテムを増えた
    • パン屋で働いたことがなかったが、経験によりオペレーションの無駄が減った
    • お店の知名度を広げるための活動(パン教室・イベント出展など)をやめてパン作りに集中したことで常連が定着した
    • テレビ番組に出演したおかげで、売上の下がる7,8月にあまり影響を受けなかった

     

    【売上推移と年収】

    ※年収は利益率25%で計算

    スクロールできます
    営業年度 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目(見込み)
    日商 710万円 1015万円 1317万円 1418万円 1821万円
    月商 100130万円 140170万円 170220万円 200220万円 230240万円
    年商 1,100万円 2,000万円 2,400万円 2,650万円 2,8002,900万円
    1日の商品数 200220 300380 320390 340400 400450
    年収 275万円 500万円 600万円 662.5万円 700725万円

    <参考>

     

    ちなみに、coboto bakeryは、オーガニックの小麦や自家製発酵種などの材料にこだわっているので、利益率は23〜25%と普通のパン屋に比べて低いですが、3年目から5年目(2022年)まで、毎年約50万円ずつ増やしています。

     

    順調にいけば開業10年目で年収1,000万円に到達できるでしょう。

     

    coboto bakeryの立地や条件

    • 開業者の経歴:パン屋さんで働いたことがない
    • 店舗名:coboto bakery(コボト ベーカリー)
    • 立地:閑静な住宅街
    • 販売形態:店頭と通販
    • 店舗:テナント
    • 広さ:12坪(イートインなし)
    • 製造人数:2人(開業者+バイト補助)
    • 販売員:1人
    • 営業日:土曜〜月曜日(2日は仕込み、1日は通販などの事務作業)
    • 営業時間:11:0016:00
    • 住所:姫路市梅ヶ枝町873-1
    • 最寄り駅:姫路駅から車で14

     

     

    coboto bakeryの開業時にかかった費用

    • 内装工事費(敷金・礼金含む):約700万円(12坪)
    • デッキオーブン(平窯):約200万円
    • ミキサー:約40万円(中古)
    • ドゥ・コンディショナー(※):約150万円
    • 冷蔵庫・冷凍庫:約80万円(2台)
    • リバースシーター:約80万円
    • 製粉機:約40万円
    • 運転資金:100万円
    • 合計1,380万円

     

    (※)ドゥ・コンディショナー・・・冷凍パン生地の保冷、解凍、予熱、ホイロをしてくれる機械

     

    (参考:小さいパン屋を始めるのに必要な設備と予算|youtube

    パン屋の開業に必要な資金と資格

    パン屋の開業に必要な資金と資格

    パン屋を開業するためには、ある程度の資金と必要な資格があります。

    パン屋を開業するための初期費用は最低でも約1,000

    立地にもよりますが、パン屋を開業するには少なくとも1,000万円は準備しておかないと難しいかもしれません。

     

    下記に、開業時に必要な物件の費用や機材設備費などをまとめました。

     

    • 店舗費用(20)200〜400万円(家賃6ヶ月+前家賃1ヶ月+仲介手数料3ヶ月) ※東京23区内
    • オーブン:約10〜300万円
    • ミキサー(生地をこねる):約20〜100万円
    • ホイロ(発酵器):約5〜100万円
    • モルダー(ガス抜き・成形機):約10〜100万円
    • リバースシーター(パン生地を薄く伸ばす機械):約4〜100万円
    • フライヤー:約5〜20万円
    • 冷凍冷蔵庫:約16〜30万円
    • シンク:約2〜22万円
    • 運営費:100万円
    新品か中古で購入するかによっても費用にバラつきがあります。

     

    ヤフオクなどのフリマサイトを利用すると費用を抑えられます。

     

    <参考>

    パン屋開業に必要な資格と手続き

    パン屋を開業するのには、必要な資格や手続きがあります。

     

    表にまとめたので、参考にしてください。

    スクロールできます
    名称 資格 or 手続き 概要 取得条件 費用 申請場所
    食品衛生責任者 資格 食品を取り扱う店舗で必要 講習(6時間)

    ※地域によって小テストもあり

    1万円程度

    ※地域によって異なる

    各自治体の衛生センター
    飲食店の営業許可 手続き カフェスペースがある場合 申請から1日〜2週間程度

    ※自治体によって異なる

    16,000〜19,000円

    ※保健所によって異なる

    管轄の保健所
    菓子製造許可 手続き 菓子パンを販売するために必要 製造場所の検査を通過すれば当日からOK

    ※検査は申請して約2週間

    14,000〜17,000円

    ※保健所によって異なる

    管轄の保健所
    食料品等販売業の営業許可 手続き 製造もしくは仕入れた食品の販売に必要な許可 製造場所の検査して数日後

    ※検査は申請して約10日前

    13,200円

    ※東京都の場合

    管轄の保健所

    パン屋の開業資金が足りない場合の5つの方法

    パン屋の開業資金が足りない場合の5つの方法

    パン屋を開業する資金が足りない場合は、下記5つのいずれかの方法で準備しましょう。

     

    1. 補助金を活用する
    2. クラウドファンティングを使う
    3. 日本政策金融公庫から融資してもらう
    4. ベーカリー機材を中古またはリースする
    5. 住宅費が安い田舎でお店を開く

     

    おすすめの方法から、ご紹介していきます。

    補助金を活用する

    返済不要な補助金を使えば、パン屋を開業する際に資金面で少し楽になります。

     

    表に、パン屋を開業する時に利用できる補助金と概要などをまとめたので参考にしてください。

    スクロールできます
    比較項目 小規模事業者持続化補助金 創業補助金
    概要 冷凍庫・パンを並べるための棚・インターネット広告費など 賃貸料・広告費・器具備品購入費(パソコンなど)・従業員人件費などの経費
    補助額 最大50万円 100〜300万円
    補助率 3分の1 経費の3分の1
    対象者 小規模事業者である(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) 常時使用する従業員の数 5人以下) など
    • 東京都内で創業計画を立てている人
    • 東京都内で開業して5年未満の方
    申し込み時期 令和5年5月25日 令和5411日〜令和5420

    <参考>

     

    パン屋を開業する時に補助金を使いたいと考えている方は、下記の記事もチェックしてみてください。

    参考にどうぞ
    6つの補助金がパン屋開業には使える!使えない場合の資金調達の方法も解説 【執筆者】 津田 雅俊 株式会社サラ秋田白神代表取締役。 白神こだま酵母を使ったパン屋の開業や経営、製造や販売にも従事。 「パン屋開業に補助金は使える?」 「パン...

    クラウドファンティングを使う

    パン屋の開業資金を集めるのにクラウドファンティング(※)を使うのも1つの方法です。

     

    (※)クラウドファンティング・・・目標金額を決めて、定めた期間で不特定多数の人から少額ずつ支援金を集めるサービス。支援金された金額に応じて、お礼のサービスや商品を用意する

     

    クラウドファンティングは借金ではないので返済義務はありません

     

    あなたのパン屋を開業したい熱い想いが支援者に伝われば100万円以上集めることも可能です。

     

    実際に、2022317日〜2022429日までクラウドファンティングをした21歳の青年は230万円以上の資金を集めています。

     

    物置小屋からはじまる21歳のパン屋立ち上げプロジェクト!!|CAMPEIRE)

    (引用:物置小屋からはじまる21歳のパン屋立ち上げプロジェクト!!|CAMPEIRE

     

    開業資金が足りない時は、クラウドファンティングを使ってみてもいいかもしれません。

    日本政策金融公庫から融資してもらう

    パン屋を開業するのに自己資金がある程度あるなら、日本政策金融公庫の『新創業融資制度』を使えば、無担保・無保証人で最大3,000万円(運転資金1,500万円)まで融資してもらえる可能性があります。

     

    条件は、融資金額の10分の1を自己資金で用意すること。利率は人によって違いますが、令和5518日のデータでは1.053.45%(無担保・無保証人)です。

    (参考:国民生活事業|日本政策記入公庫

     

    実際に、姫路で『coboto bakery』を開業した方も500万円の融資を受けられました。

    coboto bakery 開業費用

    (引用:小さいパン屋の開業時における資金調達について(資金調達額の内訳を公開、資金調達方法について|youtube

     

    日本政策金融公庫は、事業実績のない個人事業主でも事業計画書をしっかり作成すれば審査に通過突破もできますので、パン屋の開業資金が足りない場合は利用すべき制度だと言えます。

    ベーカリー機材を中古またはリースする

    パン屋の開業時の費用を少しでも抑えるなら、ベーカリー機材を中古やリースしましょう。

     

    表に、メリット・デメリットを載せましたので参考にしてください。

    スクロールできます
    方法 メリット デメリット
    中古 安く手に入る メルカリ・ヤフオクなどのサイトだと機材に詳しくないと壊れるのが早い場合もある
    リース
    • 月額料金なので初期費用を抑えられる
    • 閉店する場合にも返却するだけでOK
    • リース会社によっては満額支払いが完了すれば所有権が自分になる
    ・所有権がリース会社

    ⑤住宅費が安い田舎でお店を開く

    毎月の固定費の不動産費用が抑えたいなら、住宅費の安い田舎でパン屋を開業しましょう。

     

    競合のパン屋が都心に比べて少ないので、知名度があるor人気が出れば、家賃が安いので都会で開業するより利益を得られます。

     

    ただし都心に比べて人が少ないので、SNSWEB販売など何かしら宣伝をしないと集客できない場合もあります。

     

    集客の目処があるなら、都心に比べて住宅費が安い田舎の方が固定費を抑えられるので、おすすめです。

    パン屋の開業までの流れ

    パン屋の開業までの流れ

     

    パン屋をオープンするまでの流れは下記です。

     

    • どんなパン屋を作りたいかコンセプトやメニューを決める
    • 市場調査をして、決めたコンセプトの需要がある場所を決める
    • 店のデザインを決める
    • 必要な資金の準備
    • パン屋の開業に必要な資格の取得や手続きをする
    • 厨房や売り場を作る
    • 仕入れ先を探して商品の価格を決める
    • 必要であれば人材採用をする
    • ネットやSNSでパン屋について発信し集客をする
    • パン屋をオープンする

    パン屋の開業で失敗(倒産)しないための方法5

    パン屋の開業で失敗(倒産)しないための方法5つ

     

    帝国データバンクの20102019年にデータによると業歴3年未満のパン屋の倒産率は約10%310年未満は約19%あり、開業して10年以内に約3割が潰れています。

     

    帝国バンク パン屋の倒産 2010〜2019年データ

    (引用:パン屋の倒産、過去最多〜近畿エリアで急増〜|帝国データバンク

     

    パン屋を開業するのはスタートでありゴールではありませんので、すぐに倒産しないための方法を5つまとめました。

     

    1. 競合店と差別化できるポイントを決める
    2. 新規顧客を増やす施策を行う
    3. パンの値段は利益が出る価格設定にする
    4. 運転資金に余裕を持つ
    5. ノウハウのある人に教えてもらう

     

    それぞれ解説していきます。

    競合店と差別化できるポイントを決める

    パン屋で失敗しないために重要なことは、他のパン屋と差別化できるポイントを決めることです。

     

    商品力でもいいですし、SNSで有名なパン職人が作っているなど、差別化ポイントがあれば常連のお客さんを獲得ができますので経営が安定します。

     

    例えば、最近カレーパンで有名な『小麦の奴隷』です。

     

    カレーパンの周りについているゴツゴツしたクルトンは見た目にインパクトがあり、食べた時のザックザクの食感も一度食べたら忘れません。

     

    小麦の奴隷 ザックザクカレーパン

    (引用:【小麦の奴隷】名物「ザックザクカレーパン」クルトンの使用量が1億個を突破!ホリエモン発案エンタメパン屋|PRZTIMES

    加えて、ホリエモン(堀江貴文)がプロデュースしているので話題性もあり、2022年には3年連続で『カレーグランプリ』に金賞を受賞しました。

     

    パン作りの技術力も大事ですが、今の世の中おいしいパンはいくらでもあります。自分のお店ならの差別化ポイントでお客さんのハートをガシッと掴んでファンにしましょう。

    新規顧客を増やす施策を行う

    パン屋で失敗しないためには、ビラを配って地域の人にお店の周知やSNSで焼き立てのパンを発信するなど新規顧客を増やす施策が大切です。

     

    何も行動を起こさないでいると売上に大きな変化はしませんので、何かの拍子にお客さんが来なくなると経営難になる場合もあります。

     

    20203月下旬に流行ったコロナのようなことは、滅多に起きないとは思いますが、パン屋の経営が苦しい事態を招かないためにも新規顧客を増やす施策はした方がいいでしょう。

    パンの値段は利益が出る価格設定にする

    パンは作ってもすべて売れる訳ではありませんので、利益の出る金額で販売しましょう。

     

    例えば、あんパンの材料原価が150円で販売価格が150円の場合です。

     

    1個売れれば100円のプラスですが、1個売れ残るとマイナス50円で利益は合計50円。利益から【家賃・水道光熱費・人件費】などを引くので、結果的に儲けが出ないなんてこともあるでしょう。

     

    パン屋を続けていくには、売れる価格設定で利益が残るようにする必要があります。

    運転資金に余裕を持つ

    パン屋を開業しても経営が軌道にのらないと、毎月の家賃などの固定費で閉店に追い込まれる可能性もあるので運転資金は余裕を持っておきましょう。

     

    よく言われる目安は、事業が軌道にのるまで経営ができる3ヶ月程度の資金。せっかく開業して売上が伸びてきたとしても、運営できる資金がなければ閉店の道しかありません。

     

    売上が伸びてきて閉店はもったいないので、パン屋を開業するなら運転資金には余裕を持ちましょう。

    ノウハウのある人に教えてもらう

    パン屋を開業しても失敗したくないのであれば、最初からノウハウのある人に教えてもらうのが得策です。

     

    既にパン屋の開業経験があり、店舗での成功・失敗のパターンを熟知しているので倒産する確率をグーンと下げられます。

     

    また、パン屋に必要な機材や商品開発にも力を貸してくれるので、どうしたらいいのだろう・・・と一人で悩むことはありません。

     

    パン屋の開業に絶対に失敗したくない人は、ノウハウのある人にまずは相談してみてください。

    パン屋を開業すれば年収1,000万円以上を目指せる!

    パン屋を開業すれば、製造業の社員では目指せない年収1,000万円以上が狙えます。

     

    ただ、パン屋を開業するには、最低でも1,000万円程度の資金が必要ですし、経営も簡単ではありません

     

    資金が足りない場合は、補助金やクラウドファンティング、日本政策金融公庫から融資など何かしらの方法で資金を集めましょう。

     

    経営に失敗しないためにも、開業前に競合調査をして独自の差別化ポイントを決めましょう。

     

    もし、開業手続きや経営面でつまづいたのであれば、ノウハウのある経験豊富な人に相談することをおすすめします。

    パン屋の開業をお考えの方へ
    • パン屋で働いた経験はないけど、パン屋開業の夢がある
    • パン屋を開業したいけど、何をすればいいのかわからない
    • パン屋の開業を考えているけど、材料の仕入れ先が決まっていない
    • パン屋を開業するための機材費を少しでも節約したい

    パン作り未経験の方でもパン屋を開業できるようにサポートをさせていただきます。

    気になる方は、まずは下記からお気軽にお問い合わせください。

    参考にどうぞ
    【シミュレーションあり】パン屋開業に資金はいくら必要?具体的な金額や内訳 【執筆者】 津田 雅俊 株式会社サラ秋田白神代表取締役。 白神こだま酵母を使ったパン屋の開業や経営、製造や販売にも従事。 「パン屋の開業に必要な資金はどのくらい?...

    参考にどうぞ
    6つの補助金がパン屋開業には使える!使えない場合の資金調達の方法も解説 【執筆者】 津田 雅俊 株式会社サラ秋田白神代表取締役。 白神こだま酵母を使ったパン屋の開業や経営、製造や販売にも従事。 「パン屋開業に補助金は使える?」 「パン...

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