【シミュレーションあり】パン屋開業に資金はいくら必要?具体的な金額や内訳

パン屋開業に資金は いくら必要?具体的な金額や内訳etc
【執筆者】
津田 雅俊
津田 雅俊
株式会社サラ秋田白神代表取締役。
白神こだま酵母を使ったパン屋の開業や経営、製造や販売にも従事。

パン屋の開業に必要な資金はどのくらい?

パン屋を開業する際に何に費用がかかるのか知りたい

 

パン屋オープンの夢を持っている方の多くが、開業時にかかる資金や内訳について知りたいと思っているのではないでしょうか。

ざっくりと家賃や材料費用はわかるけど、パン屋を開業するために具体的な数字を知っておきたいですよね。

 

結論からいうと、パン屋の開業には少なくとも1000万円以上の資金を準備する必要があります。

パン屋は家賃や内装費以外にもオーブンやミキサーなどの製パン機材は高価な場合が多いからです。

 

そこで今回は、パン屋の開業にかかる資金や内訳を徹底解説していきます。

都心・地方でお店を出す際のシミュレーションもしていますので、現時点でパン屋を開業する際にいくら足りないのかなど具体的なイメージがしやすくなりますので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事でわかること

  • パン屋の開業に必要な資金と内訳
  • パン屋のオープン後に毎月かかる運営資金
  • パン屋の開業資金が足りない場合に資金を集める方法
  • パン屋の開業資金を抑える方法
  • パン屋の開業後に失敗しないためのコツ
パン屋の開業をお考えの方へ
  • パン屋を開業するための機材費・広告費を少しでも節約したい
  • パン屋の材料の仕入れ先が決まっていない
  • パン屋を開業するための資金が不足している

パン屋を開業するための資金面でお困りの方は、まずは下記からお気軽にお問い合わせください。

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目次

パン屋開業には最低でも1000万円はないと厳しい

パン屋開業には最低でも1000万円はないと厳しい

お店の立地や規模によっても異なりますが、厨房設備や製パン機材の費用は高額なため、パン屋を開業するのには少なくとも1000万の資金がないと厳しいです。

パン屋に必要な最低限の広さと言われている20坪のお店を開業する場合の資金の内訳を下記にまとめました。

費用 金額 内容
設備費 約500万円 オーブンやミキサーなどの製パン機材・冷蔵庫などの厨房機器・天板や型などの小道具など
店舗費用 約300万円 家賃・保証金・敷金・礼金など
内外装工事費 約200万円 電気やガスなどの配線配管工事・空調工事・店内の装飾など
人件費 約20万円 給料・募集費用・研修・教育など
広告宣伝費 約50万円 チラシの配布・Web広告・プライスカードなど
運転資金 約300万円~ 光熱費・通信料・家賃・人件費・材料費など毎月運営するために必要な資金3~6ヵ月分
自分の生活費 120万円~ 売上がなくても生活できる生活費3~6ヵ月分
合計 1490万円~

(参考:パン屋(ベーカリー)|J-Net21

オーブンや冷蔵庫などの厨房設備費が500万円もかかり、開業資金全体の40%近くを占めていることがわかります。

店舗費用、改装工事費と続きますが、ざっと計算しただけで約1,500万円の資金が必要です。

では、実際の内訳を詳しく見ていきましょう。

自己資金の目安

開業資金は、3分の1の自己資金があると融資条件を満たすことが多いので融資してもらいやすくなります。

パン製造のための設備費:約500万円

開業資金で最も多くの割合を占めるのが設備費で、オーブンやミキサー、ホイロなどの製パン機材が高価だと合計500万円はかかります。

作るパンの種類や1日の売上規模によっても異なりますが、一般的にパン屋の設備には以下4つが必要です。

項目 内容 費用
製パン機材 オーブン・ミキサー・発酵器(ホイロ)・作業台など
  • オーブン:20万~450万円
  • ミキサー:15万~220万円
  • 発酵器(ホイロ):5万~150万円
  • 作業台:1万~15万円
厨房機器 冷蔵庫・冷凍庫・ガス台など
  • 冷蔵庫・冷凍庫:15万~45万円
  • ガス台:6千~2万円(1口・業務用)
小道具 天板・型・スライサーなど
  • 天板:1,000~5,000円(8枚切り深型/1枚)
  • 型:1,500~5,000円(3斤用食パン)
  • スライサー:8,000~4万円
販売に使用する什器・備品 レジ・お客様用のトレーやトング、・焼いたパンをお店に並べるトレーなど
  • レジ:7,000~2万円
    ※POSレジならタブレットでも代用可能。ただし月額利用料(0~5万円)が必要
  • お客様用のトレー:150~1,500円
  • トング:150~500円/1本
  • 焼いたパンをお店に並べるトレー:3,000円~
    ※大きさや素材により異なる

※製パン機材以外にも、【冷蔵庫・冷凍庫・型・天板】などの小道具も設備費に含まれます

今回の500万円は、必要最低限の設備導入の金額。カレーパンなどを揚げるフライヤーや、パイ・クロワッサンの折り込みに必要なリバースシーターなどを追加で導入する場合はもう少し費用が必要です。

設備を導入する際は、新品ではなく中古品、購入ではなくレンタルを選んで費用を抑える方法もあります(詳しくは「パン屋の開業資金を抑える方法」で後述)が、最低でも約500万円はかかると考えておきましょう。

賃貸の店舗費用:約300万円

機械設備を置くために、パン屋に必要最低限と言われる20坪の不動産を借りた場合でも約300万円の費用がかかってしまいます。

家賃だけではなく、店舗を取得するための敷金や礼金、保証金なども含まれるためです。

実際に20坪の不動産を借りた場合の費用を表にまとめました。

項目 金額
保証金・敷金 約200万円(家賃10カ月分)
礼金 約20万円(家賃1ヶ月分)
前払い家賃 約60万円~(3~6ヵ月分)
商業用の不動産の場合、住居用とは異なり家賃は前払いの場合が多く、入居前に3~6ヵ月分の支払いを求められることもあります。
土地や建物を中古で購入した時にかかる費用は?

地域によっても相場が異なりますが、不動産取得費用だけで1,000万円から3,000万円が必要です。

  • 地方:1,000万~2,000万円
  • 人口の多い都市:3,000万円以上

内外装工事費:約200万円

20坪のパン屋を開業する場合でも内外装工事費は約200万円かかってしまいます。

パン屋はオーブン・ミキサーなどのパンを焼くための機材に多くの電力が必要ですし、【給排水設備・空調設備】などの設備が他の飲食店に比べて大掛かりです。

パン屋の内外装工事費の相場は1坪30〜50万円。複数の業者に依頼する相見積もりの方法を使ってどんなに安くなっても1坪10万円、合計約200万円は内外装工事費がかかります。

従業員・スタッフの人件費:約20万円

従業員やアルバイトを1人でも雇う場合は、【募集費用・開業前の教育費用・制服代・保険料】と人件費が少なくても約20万円かかります。

例:東京でバイトを1人雇った場合の人件費

  • 募集費用:約3〜9万円 ※東京で2週間計算した場合

  • 開業前の教育費用:約12万円(8時間×14日×時給1,072円)

  • 制服代:〜1万円

  • 保険料(雇用保険・労災保険):約2,000円

アルバイトではなく正社員として雇う場合は、社会保障制度の費用も会社で支払いますので注意が必要です。

<参考>

広告宣伝費:約50万円

パン屋のオープンをしても誰も知らないとお店に足を運んでくれない可能性があるので、効果的に宣伝をするなら広告・宣伝に約50万円はかけた方がいいでしょう。

表に、主な宣伝広告費をまとめました。

比較項目 内容 費用
紙媒体の宣伝 ちらしの作成・配布・新聞や地元紙への広告掲載など
  • ちらしの作成:約3〜8万円
  • 配布:約4〜9万円/1万枚
  • 新聞:約3〜100万円以上
Web媒体の宣伝 ホームページの作成

ホームページの作成:10〜100万円

SNSの活用

Twitter・Instagram・Facebook広告

0~50万円以上

費用をかけるのが難しい人は、TwitterやInstagramなどの無料ツールでの宣伝もおすすめします。

近所に宣伝するならWebより、ちらしの方が効果が見込めます。
<参考>

パンの材料費を含めた運転資金:300万円~

パンの開業資金には、少なくとも300万円ほどの運転資金を用意してください。

パン屋をオープンさせて経営が軌道に乗るまで、少なくとも3〜6ヵ月かかると言われているためです。

運転資金には、以下のような費用が含まれます。

  • 家賃
  • 人件費
  • 原材料費などの仕入れ費用
  • 水道光熱費・通信費
  • 広告宣伝費
  • システム手数料やレンタル費用
  • 借入金の返済
  • 税金
  • その他

      開業資金はパン屋をオープンさせるまでの費用と思われがちですが、初期費用に運転資金を含めた金額を指します。

      開店直後からコンスタントに売上が見込めるとは限りません。集客や売れ筋商品の傾向、陳列による売上への影響など、オープン後に初めて知る情報も踏まえて調整や工夫をして、経営を安定させる必要があります。

      売上がなくても3~6ヵ月は経営できるだけの資金を用意しておきましょう。

      自分と家族のための生活費

      忘れてはいけないのが、自分と家族が生活するための費用です。

      消費支出(総世帯)は、  1世帯(2人以上)当たり  244,231円

      (参考:家計調査報告 ―月・四半期・年―|総務省統計局

      家族の有無や生活圏、生活スタイルによっても増減しますので、自分たちの生活費1ヶ月分をあらかじめ把握し、売上が0でも3~6ヵ月を過ごせるだけの生活費も用意しておきましょう。

      【シミュレーション】都心&地方でパン屋を開業した時の費用

      【シミュレーション】都心&地方でパン屋を開業した時の費用

      実際にパン屋を開業した時の費用を都心と地方でシミュレーションした結果は以下の通りです。

      • 【都心】東京都荒川区内のケース:約1510万円
      • 【地方】秋田県秋田市内のケース:約1040万円

      都心は東京都荒川区、地方は2014年から2022年までパン屋の軒数の増加率が300%を超えている秋田県秋田市を例に試算しました。

      開業地の違いで、約470万円の差が出たことがわかります。

      共通の条件は以下の通りです。

      1. 店舗面積20坪の居抜き物件(一般的にパン屋で必要最低限とされている広さ)
      2. 従業員1人をアルバイトとして採用
      3. 設備は中古品を中心に調達
      4. 開業後の運用資金・開業者の生活費は含まない

      内訳を詳しく解説します。

      【都心】東京都荒川区のケース:約1510万円

      パン屋 開業 東京都荒川区

      東京都23区内のシミュレーション1510万円の内訳は以下の通りです。

      項目 金額
      店舗費用 約450万円~
      内外装工事費 約400万円
      設備費・什器・備品類 約500万円
      人件費 約30万円
      広告宣伝費 約50万円
      材料・包材費 約50万円
      その他(光熱費・事務用品など) 約30万円
      合計 約1510万円

      <参考>

      店舗費用・内外装工事費・設備費の3つだけで1200万円以上かかっていることになります。

      都心は店舗費用と工事費が高い傾向にあるためです。

      今回店舗の賃料は荒川区の相場1坪14,499円から計算し、月30万円で計算しています。

      しかし、2023年8月の東京都23区内の1階平均坪単価32,163円で計算すると、店舗費用の総額は1008万円という金額も出ました。

      都内でのパン屋開業には1000万円では全く足りないことがわかります。

      【地方】秋田県秋田市内のケース:約1040万円

      パン屋 開業 田舎 地方 秋田

      秋田県秋田市内でシミュレーションした840万円の内訳は以下の通りです。

      項目 金額
      店舗費用 約250万円
      内外装工事費 約150万円
      設備費・什器・備品類 約500万円
      人件費 約20万円
      広告宣伝費 約50万円
      材料・包材費 約50万円
      その他(光熱費・事務用品など) 約20万円
      合計 約1040万円

      <参考>

      東京に比べて秋田における商業地の金額が低いため店舗費用が大幅に低くなっています。

      人件費など若干費用が少ない項目も見られますが、設備費用や材料費などは東京都とほぼ変わりません

      秋田県秋田市でパン屋を開業した場合でも、1000万円の資金では心もとないことがわかります。

      パン屋開業後に毎月必要となる運営費用

      パン屋開業後に毎月必要となる運営費用

      パン屋の開業資金を準備する際には、開業後に売上がなくても営業できるだけの『運営費用』も含まれます。

      規模などの条件によって金額が変わってしまいますので、今回は以下の条件で試算した金額を、売上に対する目安とともに表にまとめました。

      【条件】
      • 店舗面積20坪のテナントを借りて開業
      • 週5日営業
      • スタッフは自分(開業者)ともう1人の2人体制
      • 開業のために融資を受けている
      項目 金額 売上に対する目安
      家賃 20万~50万円以上 ~10%
      人件費 約20万円 ~30%
      材料費 約45万円 25~30%
      水道光熱費・通信費 約10万~15万円 5~8%
      広告宣伝費 10万~30万円
      レンタル代など月々の支払・手数料 1万円~ 7~9%
      借金の返済 借入額・利息・返済期間によって異なる 5~7%
      税金

      ※1年の所得に対して15~30%

      その他   ※お店によって異なる

      各項目ごとに詳しく説明します。

      売上に対する数字はあくまで目安です。お店のコンセプトや理念によって異なります。

      家賃:月20万50万円以上

      家賃は物件や立地によって大きく変わりますが、月20万~50万円を想定しましょう。

      地方よりも都心や同じ市区町村でも駅近や商店街など、集客が見込める場所ほど金額は高くなる傾向にあります。

      駅から離れた場所を選べば家賃は抑えられますが、集客の難しい場合が多く、周辺地域の事前調査は必須です。

      飲食店の考え方では、家賃は売上の10%までが目安。毎月必ず出ていく固定費なので、家賃と集客のバランスが取れた店舗の選択がオープン後の運営には大切なポイントです。

      人件費:約20万円~

      スタッフ1人をアルバイトで雇った場合の人件費は、約20万円です。

      2022年度最低賃金の全国平均が961円なので、1日8時間・月に22日働いてもらうと、

      961円×8時間×22日=169,136円

      が給料となり、交通費や早朝時給なども含めると約20万円と試算されます。

      最低賃金が全国平均より高い地域では、さらに人件費は高くなるでしょう。

      アルバイトではなく正社員で雇う場合は、保険料や年金など社会保障費も人件費扱いとなるため注意が必要です。

      人件費は、売上に対して30%が目安になっています。運営費用の中でも大きなウェイトを占めるため、ピーク時だけの起用するなど、オープン後も調整が必要な経費です。

      参考:地域別最低賃金の全国一覧 |厚生労働省

      原材料費:約45万円

      売上によって変動する原材料費は、約45万円です。

      パン屋では、材料費の目安は売上の25~30%とされているので、1日の売上が7万円のケースを例に計算してみましょう。

      7万円×営業日22日×25~30%=38,500~462,000円/月

      1日で計算すると、7万円の売上のうち17,500円が原材料費です。

      原材料費には、小麦粉などのパンを作るために必要な材料だけでなく、パン袋や天板に敷くクッキングシートなどの消耗品も含まれます。

      材料費は、人件費と合わせて売上の半分以上を占める経費です。ウェイトの大きさから40%を超えると赤字とも言われています。

      売上に占める割合はあくまで目安なので、素材にこだわって他店と差別化し、結果売上が伸びるのであれば原材料費が40%でも問題はありません。しかし、その分ほかの経費を節約するなどの調整は必要な経費です。

      水道光熱費・通信費:約10万~15万円

      電気、水道、ガスなどの光熱費は1ヶ月約10~15万円です。今回は、光熱費に加え、インターネットなどの通信費や電話代も含めて試算しています。

      特にミキサーやホイロなど機材のほとんどが電気で動くパン屋で高額になりやすいのが電気代です。1月5万円以上かかるケースもあります。

      しかし、光熱費は営業日数によっても変動する経費です。冷蔵庫など24時間稼働の製品はともかく、クーラーや機材は休業日には使用しないため、光熱費が抑えられます。

      売上の5%が目安とされていますが、気候の影響を大きく受けやすいパン生地を扱うパン屋では、調整が難しい経費かもしれません。

      広告宣伝費:10万30万円

      広告宣伝費も、必要に応じて1ヶ月に10万~30万円ほどかかると考えておきましょう。

      オープン直後は話題性があり爆発的に来客数が多くなっても、しばらく時間が経てば来客が激減する事態もあり得るためです。

      開店時にメディアに取り上げられても、長く続くとは限りません。パン屋自ら積極的にアピールしていく必要があります。

      Web広告はどこに出すかや費用は自分でコントロールできますが、おおよそ月に5万~10万円ほどと考えておきましょう。

      無料で発信できるのはTwitterやInstagramなどのSNSですが、業務が忙しくて外部に運用を任せる場合、内容によって月に2万~30万円以上かかります。

      地域性やお店のターゲットによっても効果的な宣伝方法は変わりますので、オープン後も定期的に宣伝広告費がかかることは把握しておきましょう。

      システム手数料やレンタル代など月々の支払

      設備をレンタルした場合や、キャッシュレス決済を導入した場合などの手数料も運営費用に含まれます。

      一般的に考えられるものを以下にまとめました。

      内容 金額
      設備のレンタル費用やメンテナンス契約料 3,000円~
      キャッシュレス決済の手数料 使用した金額の1.6~3.75%
      レジのPOSシステム手数料 0~5万円
      ※別途、タブレットなどの購入費用が必要
      予約や宅配サイトの手数料 月額0~10万円、または成果型報酬~35%
      ※予約が入るたびに手数料が必要になる場合あり
      経理処理関係 会計ソフト:月額1万円~(年間約12万)
      税理士への依頼:年間20万~30万円
      音楽を流すアプリや有線などの月額使用料 0~7,000円
      ※別途初期費用が必要な場合あり

      <参考>

      開業する時点で利用が決まっている場合は、運転費用の中に含めて試算しておきましょう。

      借入金の返済

      開業時に融資を受けた場合、借入金の返済も1ヶ月の運転費用に含まれます。

      受けた融資の種類や利率、返済期間などによって金額がかかりますので、日本政策金融公庫の『新創業融資制度』で試算してみましょう。

      【条件】

      • 借入金額:1000万円
      • 返済方法;元金均等返済
      • 利率:基本利率の3.20%
      • 返済期間:設備資金の最大返済期間20年で毎月返済
      • 据え置き期間なし

        毎年金額は減っていきますが、1年目は返済額合計812,667円。毎月の返済額にすると約68,000円です。

        20年の返済期間を10年に減らせば、1年目の月額返済金額は109,000円に増えますが、利息は半分にまで減らせます。

        返済期間が終わればその分利益が増えますので、いかに早く返済を終わらせるかも大切です。融資を受ける際にしっかりと返済のシミュレーションしておくことをおすすめします。

        <参考>

        税金

        運営費用とは少し異なりますが、開業後に支払うべき経費なので記載しています。

        個人事業主の場合、納めるべき税額は所得に応じて1530%です。1ヶ月ごとではなく1年分の税金を一度に支払うため、特に大きな利益が出た場合は金額が思った以上になる可能性もあります。

        開業後に出た利益から、毎月コツコツと積み立てておくと安心です。

        その他

        お店によって異なりますが、考えられる毎月の運営費用の一部を以下にまとめました。

        項目 金額 補足
        ゴミ回収料金 45L1セット10枚入り:3,420円
        ※東京都荒川区の場合
        • 自治体により費用や扱いが異なる
        • 専門業者に回収を依頼する場合もあり
        コックコートなど制服のクリーニング代 規模により金額が異なるため要見積

        飲食店の制服をレンタルするコースはクリーニングが付属しているケースも

        コインパーキングチケット代

        10,000円~

        ※使用頻度により異なる

        • 駐車場の確保をコインパーキングで行う方法
        • お客様にチケットをお渡しして駐車料金の一部または全額を負担
        衛生関係の費用 10,000~35,000円
        • 害虫駆除の定期的な依頼
        • グリストラップ掃除の依頼 など

        <参考>

        パン屋の開業資金を抑える5つの方法

        パン屋の開業資金を抑える5つの方法

         パン屋の開業資金を抑える方法は以下の5つです。

          1. 居抜き物件(※)を探す
          2. 自宅を改装する
          3. 地方でパン屋を開業する
          4. キッチンカーで販売をする
          5. 中古品やリース品を使う
        (※)居抜き物件・・・過去入っていたお店の内装や設備の状態で残った物件

        費用を抑えながら理想に近いパン屋の開業を実現するために、上記を参考に取り入れられる項目を検討してみてください。

        ①設備が揃っている居抜き物件なら内外装費+設備費を最大700万円抑えられる

        居抜き物件が見つかれば、内外装工事費と設備費を最大700万円抑えられます。

        物件によって条件や使える設備はさまざまですが、パン屋が入っていたテナントなら以前に入っていたお店の設備や内装をそのまま使えるケースが多いためです。

        レストランやカフェなどの飲食店のテナントでも居抜き物件と言えますが、残された設備や内装がパン屋に合わないこともあるため契約前に確認しましょう。

        レイアウトの自由が利かないなどのデメリットもありますが、内外装工事費と設備費で最大700万円以上の開業費用を抑えられます。

        ②自宅を改装すれば店舗費用300万円を抑えられる

        お店を借りずに自宅を改装すれば店舗費用の300万円を抑えられます。

        仲介手数料や紹介料、敷金・礼金などの店舗取得費が不要になるためです。

        店舗に入る際に必要となる店舗取得費は、家賃の前払いを含めて賃料の15カ月分になるケースも多く、月20万円でざっと計算すると300万円以上にもなります。

        規模や自宅の間取りによってはリフォーム代や工事費がかかりますが、300万円以上開業資金が抑えられるのは大きなポイントです。

        ③地方でパン屋を開業すれば店舗費用+人件費を300万以上抑えられる

        都会ではなく地方でパン屋を開業すれば、地方のほうが都会に比べて賃料や人件費が安いため、店舗費用と人件費を合わせて300万円以上抑えられます。

        東京都と秋田県で開業した場合の店舗費用と人件費を表に計算して比較したので参考にしてください。

        項目 東京都 秋田県
        1坪の値段 14,799円 5,000~8,000円
        20坪にした場合の家賃 約30万円 10万~16万円
        店舗取得費用
        ※家賃の15カ月分で計算
        約465万円 約155万円
        2022年最低賃金 1,072円 853円
        1日8時間×22日雇用した場合の人件費 約19万円 約15万円

        <参考>

        実際は条件によって金額も変動しますが、簡単な計算でも秋田県は店舗費用で310万円、人件費が4万円も低くなっています。

        集客の難しさはありますが、自治体によっては都心からUIターンして開業した方への補助金や支援金制度を設けている場合もあります。

        特に家賃や人件費はオープン後の運営資金にも影響があるため、開業資金を抑えたい方は地方での開業も検討してみてください。

        ④キッチンカーなら開業資金を最大500万円抑えられる

        キッチンカーでの移動販売にすれば、店舗費用が不要になるので開業資金を最大500万円抑えられます。

         

        しかし、店舗費用とは別の経費がかかるため注意が必要です。ネット販売なら商品に貼るラベルシールの購入や配送料、販売サイトの利用料・登録料など。キッチンカーなら車代やガソリン代などです。

        かかる費用の項目は変わりますが、開業資金最大500万円も抑えられるのは変わりません。店舗形態にこだわりがなく、ひとりでパン屋を切り盛りする予定の方は、一度検討してみてください。

        ⑤中古品やリース品なら設備費を110万~470万円抑えられる

        設備や機材の中古品やリース品を活用すると、新品より安く購入できるため設備費を110万~470万円抑えられます。

        パン屋で最低限必要となる製パン機材の値段をまとめました。

        製パン機材 中古品 新品
        スパイラルミキサー 約15万~130万円 約50万~220万円
        ホイロ(発酵器) 約5万~40万円 約30万~120万円
        デッキオーブン 約20万~150万円 約75万~450万円
        合計 約40万~320万円 約155万~790万円

        <参考>

        中古品ではメンテナンスが必要で壊れやすいなどが心配されますが、新品でも定期的なメンテナンスは必要です。使い心地も大きな違いはありません

        オークションでは新品と同様にきれいな機材も取り扱っていますので、新品ではなく中古品やリース品の活用も検討してみましょう。

        パン屋の開業資金を調達する5つの方法

        パン屋の開業資金を調達する5つの方法

        パン屋の開業資金を調達する方法5つを、メリット・デメリットとともに表にまとめました。

        スクロールできます
        調達方法 金額 メリット デメリット

        公的機関からの融資

        ~7,200万円

        ※新規開業資金の場合

        • 実績のない新規創業者への融資も積極的
        • 無担保や保証人不要な制度あり
        • 審査や面談がある
        • 事業計画書などの提出が必要
        金融機関からの融資

        金融機関によって異なる

        例)秋田信用金庫『Bizこまち』:~1,000万円

        • 資金調達だけでなく、経営や補助金などの相談にも乗ってもらえる
        • 信用金庫は地域経済の活性化に繋がる開業に融資してくれる可能性が高い
        • 事業実績のない新規事業者への融資は審査が厳しい
        • 自己資金が条件の場合が多い
        • 細かな事業計画書が必須
        制度融資(※)

        自治体によって異なる

        例)東京都荒川区:~1,500万円

        自治体が利息や信用保証料を負担

        • 手続きが複雑
        • 支給まで2~3ヶ月ほどがかかる
        クラウドファンディング 自分で設定可能

        目標金額が集まれば返済なしの資金を受け取れる

        運営サイトへ12~20%の手数料を支払う必要がある

        補助金・助成金の活用

        5万~1,000万円以上

        ※制度により金額は異なる

        原則返金不要

        • 原則後払いなので立て替えが必要
        • 事業計画書の提出など、資金を受け取れるまでの手続きが多い
        • 補助金支給には審査がある

        <参考>

        (※)制度融資・・・地方自治体と金融機関と信用保証協会の3つの機関が連携して実行する融資

        パン屋を開業する際に利用できる補助機について詳しく知りたい方は下記の記事もチェックしてみてください。

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        パン屋開業で失敗しないための4つのポイント

        パン屋開業で失敗しないための4つのポイント

        パン屋開業で失敗しないためのポイントは4つです。

        1. 開業資金に最低でも50万円をプラスして用意する
        2. 値段重視で製パン機材を選ばない
        3. 事業計画は細かく立てておく
        4. 経営について学んでおく

        パン屋開業はゴールではなくスタートです。開業前に対策を立てられるかが廃業のリスク回避になる場合も多くあります。

        ひとつずつ解説していきますので、ぜひ参考にしてください。

        ①開業資金は最低でも50万円をプラスして用意する

        開業資金には必要な費用にプラスして最低でも50万円は準備しておきましょう。

        予定していた開業費用がその通りに使えるとは限らないためです。

        開業準備を進めていく中で、思わぬ問題が発生して予算オーバーとなる可能性は十分考えられます。

        例えば、居抜き物件で内装工事は不要と思ったのに、コンセントが足りず追加の配線工事が必要になるケースなどです。

        開業できない!ということを防ぐために、予定していた資金ギリギリではなく少なくとも50万円は多めに資金を準備しましょう。 

        ②値段重視で製パン機材を選ばない

        高価なものが多い製パン機材ですが、値段重視で選ばないようにしましょう。

        値段で製パン機材を選んでしまうとパンの生産性が落ちてしまい、結果的に売上に影響する可能性があるからです。

        例えば、オーブンなら3段から2段にすれば購入費用は安くなりますが、一度に焼けるパンの量は3分の2になりますお店の混むピーク時に商品が少なくなり、本来得られるはずの売上を失うことになりかねません。

        工夫で乗り切れるなら問題はありませんが、新たに機械を購入する必要が出れば二重に資金が必要となり本末転倒です。

        製パン機材を購入する際は金額で選ぶのではなく、毎日必要な売上を実現するために必要な1日のパン製造数を計算し、十分生産が見込める機械を導入しましょう。

        ③事業計画は細かく立てておく

        パン屋の開業前に、事業計画は細かく立てて入念な準備を行いましょう。

        開業資金が1000万円以上と多くの資金が必要なパン屋のオープンでは融資を受けるケースが多く、初期投資の回収を早く終わらせることが経営を安定させるポイントになってくるためです。

        開業時の借入は、開業後の売上から少しずつ返済しなければなりません。投資回収つまり、借金返済が終わらないと資金繰りが難しくなり、新たな設備投資や人事採用など経営戦略にも影響を与えます。

        市場を調査し、利益の見込めるコンセプトやメニュー、ターゲットを選ぶこと、開業前に 競合店の経営状況のリサーチも重要です。

        開業前は売上が順調なパターンで事業計画を作成してしまいがちですが、順調以外に最低限・最低限以下の複数に分けてシミュレーションして、リスクに備えておきましょう。 

        ④経営について学んでおく

        開業前は製パンの知識だけでなく、経営についても勉強しておくのがおすすめです。

        オープンしたパン屋を繁盛店にするにはパン職人としての素質だけでなく、経営者としての商品を売り、人を集める力が必要だからです。

        パンの質にこだわるあまり、高価な原材料ばかり仕入れて採算の合わない経営をしていては、いくらおいしいパンを作るお店でも未来はありません

        経営の基本である会社の数字を把握するのはもちろん、売上の傾向から新商品を開発したり、改良や改善を加えたりすることが、競合の多いパン屋で生き残るためには重要です。

        パン屋では経営者がパン職人と二足の草鞋を履くケースが多く、開業後は忙しくなると予想されるので、事前にセミナーに参加したり書籍を読んだりして知識を入れておきましょう。

        パン屋の開業資金は1000万~2000万円!費用を抑えながら資金を調達して夢を叶えよう

        パン屋の開業には、1000万~2000万円の資金が必要です。中でも厨房機器・製パン機材などの設備費用500万円や、店舗取得費用300万円が大きな割合を占めています。

        開業する場所やお店の規模によっても開業資金は大きく変わりますので、今回ご紹介した開業費用を抑える方法や資金調達方法を参考に試算してみてください。

        オープンまでの初期費用や開業後の運営資金を把握せずに何となくで始めてしまうと、開業後に資金繰りがうまくいかず経営に頭を悩ませる恐れもあります。

        パン屋開業では製パン技術ばかり重視してしまいますが、経営に関しても十分勉強しつつ事業計画をねり、準備を進め、夢のパン屋開業を目指しましょう。

        パン屋の開業をお考えの方へ
        • パン屋を開業するための機材費・広告費を少しでも節約したい
        • パン屋の材料の仕入れ先が決まっていない
        • パン屋を開業するための資金が不足している

        パン屋を開業するための資金面でお困りの方は、まずは下記からお気軽にお問い合わせください。

        あなたの状況をヒアリングして、最適な方法を提案させていただきます。

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