日本米粉クッキング協会代表理事　大塚　せつ子　様

白神こだま酵母誕生２０周年を迎えて

皆様のおかげをもちまして、白神こだま酵母が発見されて今年で２０周年を迎えることができましたこと、改めて心より厚くお礼を申し上げます。 私は１９９９年５月２１日付朝日新聞夕刊で、初めて白神こだま酵母のことを知りました。
当時は県外不出だった白神こだま酵母でしたが、関係者の皆様のご尽力とご厚情によって、その３年後ようやく白神こだま酵母の県外不出の扉を開けることができたのです。

当時はまだまだ、白神こだま酵母の本当に実力が認めていただけず、それまでやっていた国産小麦とホシノ天然酵母のパン屋を一旦閉店し、全国に先駆けて白神こだま酵母パン専門店としてリニューアルオープンいたしました。
食は感動！食べていただいた感動がそのまま、作りたいという皆様のご要望もあり当時のサラパン教室開講に至りました。

白神こだま酵母への想いや思い出は数々ありますが、一番の思い出としては、白神こだま酵母の故郷・白神山地の湧き水でパンを焼いたときの感動です。
水以外はすべて同じ条件でパン生地を捏ね上げていくと、こだまの故郷の水のほうが、すぅ～～～っと入り込んでいくのをこの手で感じました。
そして、同じように焼きあげた時、こだまの故郷の水で焼いたパンのほうが、甘い香りに包まれていました。
その時、「あぁ白神こだま酵母は・・・こんな微生物だけれど、ちゃんと故郷を覚えているんだ」と、胸が熱くなりました。

その時、今後どのようなことが起こっても、絶対にこの白神こだま酵母を守りながらブランド化していこうと決意したのです。思えば、たくさんの争いや闘いもありました。
振り返れば、長い道のりだったかもしれません。
でも、今ここに私の手から巣立っていった白神こだま酵母を今後も見守り続けたいと思っています。
白神こだま酵母とともに歩めたこの道と、ともに歩んでくださった皆様に、心から感謝申し上げます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

元秋田県総合食品研究センター主席研究員　高橋慶太郎　様

微生物番号ＦＥＲＭ　Ｐ－１７５７３（ＡＲＩＦ－ＫＤ００３号）。この酵母が、白神山地で人知れず生き続け、小玉健吉先生に発見され世にその存在を知られ「白神こだま酵母」と名付けられてから２０年目となりました。この２０年の間に日本国中に広めて頂き、その類い希なる各種の性質が多くの人々に知られるようになったのは、ひとえにサラ秋田白神さんのこの酵母への弛まない深い愛情の賜であります。改めて、サラ秋田白神の関係者の皆様に感謝申し上げます。

「白神こだま酵母」は製パン用の天然由来の酵母として広く皆様にご使用いただいておりますが、酵母に愛情を注いでパン作りをすればするほど美味しいパンに仕上がり、素材の味がよく判る、特に小麦の味が引き立つパンとなるはずです。

この酵母は現在製パン用の他、種々の特性を引き出した発酵方法により濁酒や味噌・魚醬などの伝統的な酒類・発酵食品、さらには塩もろみ（塩を入れた酒もろみ）やフルーツもろみ（塩を入れて発酵させたフルーツジュース）・豆乳発酵液（液状味噌）などの新しい発酵調味料に使われています。この新しい発酵調味料は甘味・酸味・旨味を持つとともに高い消臭性と保存性を持ちます。この性質を利用して添加物を使用しない低塩の美味しい農水畜産加工品が各種製造販売され、新たな加工食品の開発も進んでいます。これらも近い将来皆様の食卓に並ぶことと思います。

「白神こだま酵母」の研究は現在も継続中です。これはこの酵母の持っている力をまだ十分に引き出していないと考えているからです。この潜在力を明らかにして、さらに美味しく面白いパン作りや色々な発酵食品・加工食品の開発に貢献できるよう日々「白神こだま酵母」と会話を続けています。
愛情を注いで使っていただければ必ずや「白神こだま酵母」はそれに応えてくれます。末永いこの酵母とのお付き合いをお願いいたします。